EOL後も半導体を安定供給、長期運用システムを支えるRochesterの「TLS360」:ミッションクリティカルな製品対象に

産業機器や通信インフラなど、長期運用が求められるシステムでは、搭載する半導体の製造中止(EOL)が大きな課題となる。わずか1つの半導体が入手できなくなるだけでも、設計変更や代替品への切り替えが必要になり、製品の生産やシステムの運用に影響を及ぼす可能性がある。こうした課題に対応するため、Rochester Electronics(ロチェスターエレクトロニクス:以下、ロチェスター)は、メーカーのEOL後も対象製品の「Active」ステータスを維持し、継続供給する新プログラム「Through Life Support 360(TLS360)」を開始した。本稿では、その仕組みや特徴、対象となる製品ファミリーなどの詳細を紹介する。

PR/EE Times Japan
» 2026年09月28日 10時00分 公開
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メーカーのEOL後もActiveステータスを維持

 半導体製品の製造中止は、避けては通れない課題です。特に、保守期間を含めライフサイクルの長いシステムでは、1つの半導体の製造中止が生産中止や運用停止につながることも少なくありません。こうした課題を解決すべく、ロチェスターは新プログラム「Through Life Support 360(以下、TLS360)」を開始しました。

 TLS360は、選定されたミッションクリティカルな半導体製品ファミリーを対象とする、ロチェスターのライフサイクルアシュアランスプログラムです。標準的なメーカーのライフサイクルでは製造中止となってしまう半導体製品について、JEDEC準拠の「Active(定義されたライフサイクル管理の下で受注可能)」ステータスを維持し、ライフサイクルの長いシステムをサポートできるよう設計されています。

 TLS360によって、ロチェスターは、オリジナル半導体メーカーが標準的な製造中止(EOL)のマイルストーンに到達した後も、指定された製品をActiveステータスのまま、メーカーに認定された適切な管理体制のもとで供給および管理し続けることが可能になります。

提供:Rochester Electronics

 顧客にとっては、設計変更の強制や場当たり的な調達対応を避けながら、既存設計での生産をより長期にわたり継続でき、規律性と透明性を備えたライフサイクル管理のフレームワークの中で運用し続けられることを意味します。

 TLS360の対象として指定された製品は、オリジナル半導体メーカーに認定された正規品であり、JEDECが公開しているライフサイクル定義および変更通知運用に準拠して管理されています。さらに、文書化された変更管理プロセスおよび明確に定義されたライフサイクル期間も含まれています。

TLS360を構成する6つの特徴

  • 標準的なメーカーライフサイクルの終了時点を超えてActiveステータスを継続
  • オリジナル半導体メーカーに認定されたフレームワーク内で、継続的な製品供給を実現
  • JEDECで定義されたライフサイクル用語に準拠したライフサイクル期間、製品変更通知(PCN)対応および製品廃止通知(PDN)運用
  • 関連する派生品およびリビジョン間で一貫したライフサイクル管理
  • 指定された製品においてオリジナル半導体メーカー認定の再生産で継続性を確保
  • 代替品や設計変更を強いることなく、製品型番の整合性を維持

エージェント型AIをライフサイクル計画に活用

 対象となる各製品型番には「Micro」「Mid」「Max」と定義されたライフサイクル期間が割り当てられます。これは、ロチェスターが、メーカー本来のロードマップを超えて、どの程度の期間にわたりActiveステータスとライフサイクル管理を維持する予定なのかを明確に示す計画指標となっています。

 TLS360におけるライフサイクル期間の判断は、認定されたサプライヤーデータ、過去のライフサイクル傾向、在庫シグナル、製造状況、変更通知情報を分析するエージェント型AIシステムによってサポートされています。AIによる分析は、ロチェスターの正式な管理プロセスを補完するもので、ライフサイクルの分類および計画策定を支援する、客観的かつ再現性のあるインサイトを提供します。ただし、最終的なライフサイクル判断は、人による確認と管理のもとで行われます。

長期運用を前提としたライフサイクル管理

 TLS360におけるライフサイクル期間および供給見通しは、認定されたサプライヤーデータ、過去の知見、在庫状況、ならびに該当する場合には再生産能力に基づく、ロチェスターの最善の評価を反映したものです。外部要因により、供給時期や供給状況が影響を受ける場合があります。

 TLS360のガイダンスは社内計画に組み込むとともに、ライフサイクル対応の最終的な判断には、JEDECのライフサイクルで定義された正式なPCNおよびPDNを参照することを推奨しています。

 ライフサイクルの長いシステムは、安定性に支えられています。TLS360は、本来であれば製造中止となる重要な製品をActiveステータスで維持しつつ、JEDEC規格に準拠した構造化された業界標準のライフサイクル管理を適用します。これにより、延長された設計ライフサイクルにおいても、高度なコントロール、明確な可視化、そして確かな予測可能性を実現します。

「Micro」「Mid」「Max」の3段階で期間を設定

 TLS360対象の指定された全ての製品型番には、プログラム全体を通して計画の基準となる、明確に定義されたライフサイクル期間が割り当てられています。

対象となる各製品型番には「Micro」「Mid」「Max」と定義されたライフサイクル期間が割り当てられる 対象となる各製品型番には「Micro」「Mid」「Max」と定義されたライフサイクル期間が割り当てられる[クリックで拡大]提供:Rochester Electronics

JEDEC ライフサイクルとの整合性(参考)

 TLS360は、JEDECで定義されたライフサイクル用語および変更通知の運用を業界の基準として採用し、正式な変更管理、事前通知および計画的な移行をサポートしています。

 正式なPCNおよびPDNは、ライフサイクルに関する公式な通知手段となります。

  • Active:定義されたライフサイクル管理のもとで継続的に調達可能
  • NRND:既存設計向けに提供を継続
  • PCN:製品変更に関する事前通知
  • PDN:製品ライフサイクルの終了とマイルストーンが提示された通知
  • LTB/LTS:最終購入および最終出荷のマイルストーン
  • EOL:製品ライフサイクル終了(製造中止)

長期運用に不可欠な10製品ファミリーが対象、順次拡充も

 現在TLS360プログラムの対象となっている製品ファミリーは下記の通りです。主要メーカーから選定された、設計の基盤となる製品ファミリーに適用されており、今後、認定プログラムの拡大に伴って、対象範囲は順次拡充されていきます。

Infineon Technologies 8ビット&16ビットマイクロコントローラー

 Infineon Technologiesのレガシー8ビットおよび16ビットマイクロコントローラーは、20年以上にわたりオートモーティブおよび産業機器分野で採用され続けています。

Infineon Technologies HOTLinkおよびHOTLink II

 HOTLink およびHOTLink II製品は、産業、計測機器、組み込み制御アプリケーションにおいて、信頼性の高い高速シリアル通信ソリューションとして長年採用されてきました。

Infineon Technologies(旧Cypress Semiconductor)Neuronネットワークプロセッサ

 Neuronプロセッサは、20年以上にわたりLonWorks制御ネットワークの中核となる部品として活用されています。

MaxLinear SHDSL PEF2x628E トランシーバー

 MaxLinearのSHDSLトランシーバーは、長距離対応、堅牢な性能、そして長期運用が求められる通信および産業用ネットワークにおいて広く採用されてきました。

NXP Semiconductors QorIQ セキュアエッジPシリーズプロセッサ

 Power Architecture e500 CPUコアをベースに、ネットワーク、通信、産業そして防衛システムにおいて中核的な役割を果たしてきました。

Analog Devices RFおよびマイクロ波製品

 RF/マイクロ波設計は、極めて高い精度と安定性、そして徹底した認証プロセスが要求されるため、部品の変更はコスト・期間の両面で大きな負担となります。

NXP Semiconductors MPC860/MPC855 PowerQUICC

 MPC860/MPC855 PowerQUICCプロセッサは、決定性と高い信頼性が求められるライフサイクルの長いネットワーク機器や組み込みシステムにおいて、現在も広く採用されています。

NXP Semiconductors MPC56x Power Architecture プロセッサ

 長期にわたる認証サイクルを伴うオートモーティブ、航空宇宙、防衛や産業機器分野で広く採用されています。

Spansion AM29xxx 5V Norフラッシュ

 5V NORフラッシュは、かつて組み込み設計の中核として採用されていましたが、相次ぐ製造中止やパッケージの廃止により、多くの長期ライフサイクル設計において、適切なメモリソリューションの確保が困難になっています。

Texas Instruments(TI) TMS320デジタルシグナルプロセッサ

 リアルタイムの信号処理、強力な性能、そして長期運用を必要とするシステムにおいて必要不可欠です。

再設計を回避し、既存システムの運用継続へ

 TLS360プログラムのもと、顧客は予測可能な供給、規律あるライフサイクル管理、そして継続的な認定により、検証済みシステムの信頼性を維持しながら、長期運用に伴うライフサイクルリスクを低減できます。また、システムの長期運用の継続、生産およびフィールドサポートの継続、そして再設計を強いられることなく生産を継続することが可能になります。

対象製品ファミリーの例 対象製品ファミリーの例[クリックで拡大]提供:Rochester Electronics

 TLS360プログラムによって、長期運用に伴うライフサイクルリスクを低減し、顧客はより安心して既存システムを運用することが可能です。ロチェスターは、オリジナルメーカーに認定された製品、製品履歴そして製品保証で、顧客の事業継続を支えていきます。

※本稿は、Rochester Electronics, Ltd.より寄稿された記事を再構成したものです。

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提供:Rochester Electronics, Ltd.
アイティメディア営業企画/制作:EE Times Japan 編集部/掲載内容有効期限:2026年10月27日