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回路、デバイス、実装の三位一体でSINKAする、日清紡マイクロデバイスの光センサーモジュールオペアンプ、電源に続く第3の柱を目指して積極投資!

日清紡マイクロデバイスは、回路、デバイス、実装の技術を融合させたモジュール事業の強化を進めている。中でも40年以上にわたって高付加価値製品で実績を積んできた「光半導体」を核にした光センサーモジュールで特徴的な製品を開発している。

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総合アナログ半導体メーカーとしてモジュール事業を強化

 2022年に新日本無線とリコー電子デバイスが経営統合し誕生した日清紡マイクロデバイス。新日本無線が得意にしたオペアンプなどの信号処理系アナログICと、リコー電子デバイスが強いレギュレーターなどの電源ICを手掛ける総合アナログ/ミックスドシグナル半導体メーカーとして発足した。


経営統合によりアナログソリューションプロバイダーを目指す日清紡マイクロデバイス 出典:日清紡マイクロデバイス提供資料

 日清紡マイクロデバイスが目指すのは「アナログソリューションプロバイダー」だ。信号処理系アナログICと電源ICの品ぞろえを強化しつつ、それらのICを組み合わせたモジュール製品の開発を本格化させている。さらには、モジュール製品にソフトウェアなどを含めたシステムソリューションの開発、提供を目指す。信号系、電源系を問わず、アナログ/ミックスドシグナル半導体技術をコアに、ユーザーにより大きな付加価値を持つ「ソリューション」を提供することを最大の目標に掲げている。

 新会社発足後から強化を急いでいるモジュール事業は、新日本無線とリコー電子デバイスが培ってきた「回路技術」「デバイス技術」「実装技術」を融合させることで、IC単体では実現が困難なより高い価値を提供しようとしている。モジュール製品開発の専門組織「モジュール設計部」を設置した他、2022年にはモジュール製品専用の実装ラインを後工程拠点・日清紡マイクロデバイスAT(佐賀県)で稼働させた。

高付加価値市場で40年以上の実績を積む光半導体


日清紡マイクロデバイス開発本部モジュール設計部部長 野田一平氏

 モジュール製品開発の中で特に注力しているのが、光半導体技術を核にした「光センサーモジュール」だ。日清紡マイクロデバイス 開発本部 モジュール設計部 部長の野田一平氏は「オペアンプや電源ICが主力製品ではあるが、光半導体製品も40年以上の実績を持つ製品分野だ。これまでに培った光半導体に関する基盤技術を“回路、デバイス、実装”の三位一体によるモジュール化でさらに進化させ、光半導体/光センサーモジュールをオペアンプ、電源ICに続く事業の第3の柱にすることを目指す。2026年には、光半導体/光センサーモジュールの売上高を2023年実績の2倍以上に引き上げる」と話す。

 日清紡マイクロデバイスの光半導体事業は、約40年前に新日本無線が近赤外LED市場に参入した時点から始まる。2000年代前半には、当時まだ市場に出始めたばかりのカメラ付き携帯電話機向けにレンズ位置検出用フォトリフレクタを手掛け、一定のシェアを獲得。カメラ付き携帯電話機/スマートフォンの普及が一巡してフォトリフレクタの価格競争が激しくなると、デジタル一眼カメラの交換レンズや産業機器、ロボット向けに主戦場を移し、光半導体製品を提供している。

 「光センサーは磁気センサーでは実現できない高精度化や小型化が可能である。例えば、磁気センサーと比較して光センサーはモーターから発生する磁気の影響を受けないため、センサーをモーターの近くに配置することができ小型化が可能となる。カメラなどのレンズの高精度位置検出用インクリメンタルポジションセンサーや産業機器およびロボットなどのアブソリュートエンコーダが現状の主力アプリケーションで、光半導体関連売上高の約半分をカスタム製品が占めている。顧客ニーズに耳を傾け、高い性能、信頼性、品質、使いやすさにこだわっている点が日清紡マイクロデバイスの光半導体製品の特徴だ。回路、デバイス、実装の三位一体によってさらに特徴的な製品を数多く開発することで事業を拡大させる」(野田氏)とし、フォトディテクタ、フォトリフレクタ、ポジションセンサーの新製品を投入している。


日清紡マイクロデバイスが展開する主な光半導体モジュール製品[クリックで拡大] 出典:日清紡マイクロデバイス提供資料

独自実装技術で世界最小・最薄レベルを実現するフォトディテクタ


COB技術を駆使して小型、薄型を実現したNJL6407R[クリックで拡大] 出典:日清紡マイクロデバイス提供資料

 光センサーモジュールのベースになるフォトディテクタを象徴する製品が、Blu-rayドライブやRGB波長モニター、光電スイッチなどに採用される「NJL6407R」だ。受光素子(フォトダイオード)への意図しない光の差し込みを防ぐ周辺遮光壁付きのフォトディテクタながら、サイズは、2.0×2.9×0.75mm。高さ1mmを下回る“超薄型”を実現している。

 一般に、周辺遮光壁付きフォトディテクタは金型を用いた樹脂モールドによってパッケージングする。


日清紡マイクロデバイス開発本部モジュール設計部高度専門部長 大野文昭氏

 NJL6407Rは「COB(Chip On Board)パッケージと呼ばれる基板に実装したICチップに樹脂を流し込んで覆うパッケージング技術を採用している」と同モジュール設計部で高度専門部長を務める大野文昭氏は明かす。この独自のCOB技術は樹脂の厚みの緻密な制御や遮光壁の形成位置のフレキシブルな調整が可能だ。「小型で薄型にしやすい他、コストと時間を要する金型が不要で、顧客のさまざまな要求に応じた形状を安価に実現できる」(大野氏)とする。1.2×1.7×0.8mmという超小型/薄型サイズを実現した「NJL6401R-3」なども製品化済みだ。高感度フォトダイオード技術とCOBという実装技術が日清紡マイクロデバイスの光半導体製品の付加価値向上に大きく貢献している。

 赤外光に感度波長帯域を持つ「NJL6195R」もユニークなフォトディテクタだ。COB技術によって3.55×3.95×0.82mmという超薄型を実現しているだけでなく、8.88mm2という広い受光面積を実現。受光面積が広ければ発光素子との位置合わせにゆとりが生じ、システム設計の自由度が高まる。“使いやすさ”という価値提供を重視する日清紡マイクロデバイスらしい製品に仕上がっている。

高輝度LEDでフォトリフレクタも使いやすさを実現


NJL5908ARの外観[クリックで拡大] 出典:日清紡マイクロデバイス提供資料

 受光素子と発光素子を備えるフォトリフレクタ(反射型光センサー、フォトインタラプタと呼ばれることもある)も、COB技術を駆使して1.06×1.46×0.5mmという超小型、超薄型を実現する「NJL5908AR」などを製品化した。「NJL5912R」は1.06×1.46×0.5mmサイズでありながら「同じ消費電流の競合製品よりも8倍ほど明るい高輝度LEDを搭載している」。大野氏は「高輝度LEDとフォトトランジスタの組み合わせにより、低消費電力化を実現しながら焦点距離を長く取れる、外光ノイズに強いなど、高いロバスト性を持つフォトリフレクタになっている」と“使いやすさ”を強調する。

強化急ぐポジションセンサーも小型・薄型で使いやすく

 受光素子と発光素子に信号処理回路を一体化するポジションセンサーは、「回路、デバイス、実装の三位一体」が最も生きる領域だ。


NJL5822Rの外観[クリックで拡大] 出典:日清紡マイクロデバイス提供資料

 NJL582xRシリーズは主にエンコーダ用途のデジタル2相出力のポジションセンサーで、小型、薄型、高ロバスト性による使いやすさを実現した。パッケージサイズは2.6×2.5×0.8mmだ。大野氏は「ポジションセンサーの多くは、位置検出精度を高めるために発光面と受光面の上部にレンズ構造を採用している。NJL582xRシリーズは高感度フォトダイオードを集積したOEIC(OptoElectronic Integrated Circuit)と高効率高輝度LEDによってレンズフリーであり、圧倒的な小型・薄型を実現している」とする。「レンズを使用すると焦点範囲が限られてセンサーと反射板の位置合わせがシビアになるが、NJL582xRシリーズはそうした制約が緩和されるため、顧客での実装マージンが大きくなる」。NJL582xRシリーズが対応するセンサーと反射板間距離は0.3mmから5.0mm。横(ラジアル)方向の取り付け余裕度も±0.5mmと広く、より多くの用途で「調整フリー」を実現する。

 NJL582xRシリーズは、ストライプ反射板でストライプ幅70μmに相当する1インチ当たり180本(180LPI)の分解能を実現するNJL5822Rまで製品化済みで、300〜360LPIに対応するNJL5823Rも製品化する予定だ。360LPI以上の高分解能対応製品として逓倍(ていばい)回路を備えた製品や原点検出機能付き(2相+1相)製品も企画中で、「DCモーター、ステッピングモーターなど高精度モーター用途まで広くカバーするラインアップを整える」(大野氏)

ポジションセンサーの開発ロードマップ[クリックで拡大] 出典:日清紡マイクロデバイス提供資料

多彩な光半導体モジュールを開発し、さらなる事業拡大へ

 フォトリフレクタやポジションセンサー以外にも、光半導体技術をコアにしたさまざまなモジュール製品を開発する。野田氏は「顧客や市場の要求にスピーディーに応えられる体制も整っている。プロモーションとマーケティングを同時に推進するために、企画、開発、営業が組織横断のクロスファンクショナルチームを現場主導で立ち上げた。顧客の要求にいち早く気付いて最適な製品を提案するプロモーションと、顧客の将来の課題解決に向けた新製品を企画するマーケティングを同時に推進することで、スピーディーな対応が可能となる。今後も国内外を問わず、高精度モーターなどの高度な要求を持つ顧客とパートナーシップを結び、共同開発も積極的に行って新たな光センサーモジュールの開発を進める」と語る。「光半導体関連の売上高倍増を2026年に実現させたい。その先には、さらなる事業拡大を目指して新たな市場への参入も視野に入れている」


日清紡マイクロデバイス開発本部モジュール設計部部長の野田一平氏と同高度専門部長の大野文昭氏

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提供:日清紡マイクロデバイス株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EE Times Japan 編集部/掲載内容有効期限:2024年8月7日

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