家電製品の高機能化に伴い、内部に搭載されるモーターやセンサーが増えている。TE Connectivityは、被覆除去やはんだ付けが不要なマグネットワイヤ端子と、誤挿入や半嵌合のリスク低減に貢献するコネクターにより、接続工程の効率化と品質向上を支援する。技術の詳細を、TE Connectivity Japan合同会社 Connected Living Solutions Sales & Marketing 部長の真下俊臣氏に聞いた。
近年、家電製品の高機能化に伴い、搭載されるモーターやセンサーの数が増えている。エアコンでは、風向きを細かく制御するため、複数のルーバーをそれぞれモーターで動かす機種もある。洗濯機でも、洗剤の自動投入機構など、モーターを利用する機能が増えている。
一方で、モーターやセンサーなどの電子部品や配線が増えても、外形や基板の大きさは変えられない場合が多い。限られたスペースに部品を収めつつ、接続不良や作業ミスも防ぐ必要がある。
こうした課題に対し、TE Connectivity(以下、TE)は、モーター内部の結線に使用するマグネットワイヤ端子と、モーターやセンサーを基板に接続するコネクターの両方から解決策を提供する。
モーター内部の巻線(マグネットワイヤ)と外部配線との接続には、一般的にはんだ付けを用いる。しかし、加工条件の管理が必要で、熱による周辺部品への影響もある。絶縁被覆を除去する工程も課題だ。マグネットワイヤの絶縁被膜の除去方法は用途や生産工程によって異なるが、熱や薬品などを用いる方法もある。
TEのマグネットワイヤ端子「MAG-MATE(マグメイト)」は、こうした工程を不要にする。モーター側に設けたキャビティーにマグネットワイヤを配置し、その上から端子を挿入すると、端子が絶縁被覆を切り開いて内部の導体に接触する。被覆を事前に除去する必要がなく、はんだ付けも不要だ。シンプルな工程なので、自動化にも適する。
製造現場の条件は顧客によって異なることから、TEはMAG-MATE以外にも、異なる構造のマグネットワイヤ端子を用意している。その例が「AMPLIVAR(アンプリバー)」と「SIAMEZE(サイアミーズ)」だ。
AMPLIVARは、圧着バレルの鋭いエッジ構造によってマグネットワイヤの絶縁被膜を貫通し、気密性の高い接続を実現する無はんだ接続ソリューションだ 。SIAMEZEはキャビティーを設けるスペースが限られる小型モーターや、マグネットワイヤとリード線を省スペースで接続したい用途に適する。
TE Connectivity Japan合同会社 Connected Living Solutions Sales & Marketing 部長の真下俊臣氏は「大量生産ラインでの自動化にはMAG-MATE、圧着工程を利用する場合にはAMPLIVAR、限られた空間で接続する場合にはSIAMEZEというように、設計や生産方式に応じて選択できる」と説明する。
マグネットワイヤを巡っては、銅価格の上昇を背景に、これまで主流だった銅線をアルミ線へ置き換える動きもある。アルミ線は表面が酸化しやすく、専用のはんだや加工条件の考慮が必要だったが、はんだ付け不要の端子は、移行時の工程簡素化にも寄与できる。
センサーの搭載数が増えると、それらを制御基板につなぐコネクターも増加する。基板の大きさを変えられない中で接続点が増えるので、コネクターには小型化が求められている。
しかし、コネクターの嵌合作業は人手で行われるため 、コネクターの増加や小型化に伴って取り違えが課題となっている。コネクターを色分けすれば区別できるが、色だけでは見分けにくい場合もある。
TEのコネクター「GRACE INERTIA(グレースイナーシャ)」は、そうしたミスを防ぐ製品だ。最大12種類の色を用意し、色ごとに嵌合部の形状を変えている。異なるキー形状の接続先(異なる色)には嵌合できないよう設計しており、誤挿入を防止するための設計を採用している。ピッチは1.25mmから12.4mmまで幅広く提供する。
コネクターの嵌合作業においては半嵌合も課題だ。半嵌合状態では、端子同士がわずかに接触していることから、出荷検査時には正常と判定される場合がある。しかし、輸送中の振動などでコネクターが外れ、使用開始後に動作しないといった問題が起こりうる。
GRACE INERTIAシリーズは、こうした半嵌合を防ぐ「慣性ロック機構」を採用している。嵌合途中で一定の抵抗を設け、その抵抗を超えるとコネクターが所定の位置まで一気に嵌合する。作業者の押し込み動作を活用することで、確実な嵌合を支援する仕組みだ。半嵌合のまま出荷検査を通過するリスクの低減に配慮した設計としている。
TEは1957年に日本法人を設立して以来、約70年にわたり、国内で事業を展開してきた。そうした中で日本の製造現場と長期的な関係を築き、顧客の課題を製品開発に反映している。加えて、世界各地に拠点を持つことも強みだ。各地の顧客の要求をグローバルで共有し、ある地域で開発した製品を別の地域の顧客にも提案できる。
「TEが既に持っている製品を使ってもらうだけではなく、顧客の困りごとを聞き、どう解決するかを考えながら製品を開発している。長年提供している製品でも開発や改良を続けており、現在も新しい要求に合わせてラインアップを増やしている」(真下氏)
家電製品の内部で使われる端子やコネクターは、消費者の目に直接触れることはほとんどない。しかし、製品が多機能になるほど接続点は増え、それぞれに確実性が求められる。TEは接続工程効率化や接続品質の向上を支援することで、高機能化する家電製品とその製造現場を支えている。
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提供:TE Connectivity Japan合同会社
アイティメディア営業企画/制作:EE Times Japan 編集部/掲載内容有効期限:2026年9月17日