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スマートシティ&IoTに注力し、今後6年間で売上高倍増を狙うアドバンテック 社長 マイク小池氏

アドバンテックは、2013年に創立30周年を迎えた台湾 Advantechの日本法人だ。この節目を機に、Advantechグループは新たな経営ビジョンを掲げてさらなる飛躍を目指す。社長のマイク小池氏は「IoT(モノのインターネット)とスマートシティ市場は飛躍的な進化を遂げる。われわれは、この2つの成長市場にフォーカスする」と語る。

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2018年までに、売上高10億米ドルの上乗せを図る

――2013年はAdvantech創立30周年を迎えられました。

マイク小池氏 1983年の創立から2013年で丸30年が経過した。創立以来、産業用PCを中心にした事業展開を行い、世界21カ国92都市に拠点を展開し、産業用PCの世界市場で26%のシェア(2011年実績)を持つリーダー企業となった。2013年には売上高10億米ドルを突破する見込みだ。

 売上高は、創立からリーマンショックが起こった2008年までも年平均12.3%のペースで成長してきたが、2009年から2013年は、そのペースはさらに加速し年平均14.3%のハイペースでの成長を遂げることができた。30周年、売上高10億米ドルを突破した今、2014年から2018年までの6年間でさらに10億米ドルの売り上げを上乗せしようという新たな目標に挑戦している。

2010年以降、スマートシティ&IoTで成長が急加速

――2009〜2013年に成長が加速してきた要因は何でしょうか。

小池氏 現在、大きなパラダイムシフトが起こっている。過去30年を振り返ると、80年代にPCが、1995年からはインターネット/Webが登場し、世の中に大きなパラダイムシフトをもたらした。こうした大きいパラダイムシフトは10〜15年ごとに起きており、実は2010年からも新たなパラダイムシフトが起こっている。

 その新たなパラダイムシフトを起こしているのが、「スマートシティ」と「IoT(モノのインターネット)」だ。世界人口は、現在の50億〜60億人規模から2050年までに90億人へと急増するといわれ、そのうち7割の人が都市で生活する「都市化」が顕著になるとされる。そうなれば、渋滞、大気/水質汚染、エネルギーや医療機関の不足といった多種多様な社会問題が発生する。それら問題を解決していくのが、ICT(情報通信技術)であり、「スマートシティ」、「IoT」である。

 こうしたパラダイムシフトにより、2009年以降、われわれのビジネスでも、スマートシティ、IoT向け需要が拡大しており、成長のペースを加速させる大きな要因となっている。

――2014年からの6年間で、売上高を倍増させ、20億米ドル達成を目指されていますが、かなり挑戦的な目標ではありませんか。

小池氏 挑戦的ではなく、かなり現実的な目標だと考えている。今後6年間、年平均15%程度の売上高成長で達成される目標であり、昨今の成長率と照らし合わせても、決して無理な数字ではない。なにより、スマートシティ、IoTの市場は指数関数的に成長が見込まれている。調査会社などの資料を見ても、現状数千億米ドル程度のスマートシティ/IoTの市場規模は、16年後の2030年には10兆億米ドル(約1,000兆円)に達するとの予測もあり、その成長の余地は大きい。

 そこで、Advantechは30周年を機に、今後15年を見据えた新たな企業コンセプトとして「Partnering for Smart City & IoT Solutions」を掲げ、「スマートシティ」「IoT」にフォーカスすることを決め、それに応じたビジネス戦略に一新した。

よりインテリジェントな組込みシステム提供を目指して

――新たなビジネス戦略について教えてください。

小池氏 当社は、3つの事業部門がある。ボード/モジュール製品、小型組込みコンピュータを扱う「Embedded&iSystem」、産業オートメーションアプリケーションに向けた「iAutomation」、ヘルスケア、インフラ、小売業、車両管理などの市場に対し顧客中心のソリューションを提供する「iService」の3つだ。

 新たなビジネス戦略は、これら3つのセクターで、それぞれ最適なソリューションを提供できるよう「セクターリード」型の事業体制へと改めた。具体的には、各セクターが世界92の拠点にセールス機能を配置しグローバルに統合されたビジネスを展開するもの。同時に、セクターそれぞれがグローバルにパートナーを持ち、エコシステムを展開することで、よりインテリジェントなエンベデッドシステムソリューションを提供していくことを目指している。

 「スマートシティ」「IoT」は、あらゆる産業、業種に影響を及ぼすものであり、われわれのビジネス領域も、これまでカバーしていた範囲よりもさらに広げていく必要があり、そのためにもセクターリード型の事業体制への移行を決めた。

パートナーとの連携を深めて、ソリューション提供

――よりインテリジェントなエンベデッドシステムとは、どのようなものですか。

小池氏 これまでAdvantechは、「プロダクトイノベーション」に注力してきた。毎年各事業部門での革新的技術を開発し、製品に盛り込んできた。そして技術開発、製品展開の領域を広げながら事業を拡大してきた。いわば、技術開発力と製品ラインアップの広さが、Advantechの強みになってきた。

 今回のセクターリード型事業体制では、これまでの「プロダクトイノベーション」を「ソリューションイノベーション」へと進化させるもので、革新的な製品/技術に、パートナーとの連携も行いながらシステムとしての付加価値をも盛り込んで、ソリューションとして提供するものだ。具体的には、インテルやARMベースプロセッサを提供する半導体企業などシリコンベンダーとの連携を一層強め、より先進的なデバイスを取り入れたボード/モジュールをより早く製品化していく。同時に自社やパートナーのソフトウェアも統合し、よりインテリジェントな製品として提供する。シリコンベンダーなどのパートナーとは、製品の共同拡販など連携範囲も拡大させていく。

――今後注力する「スマートシティ」「IoT」では、どういった製品、技術ソリューションを展開されますか。

小池氏 われわれが最も貢献できる部分は、センサーなどの端末と、クラウドコンピューティング/クラウドネットワークを接続するゲートウェイの部分になるだろう。

 同時に、低消費電力化/小型化が要求されるセンサーなどの端末向け製品や、クラウド側インフラを支えるインテリジェントデバイスの提供も積極的に行い、あらゆるレイヤーで製品ソリューションを提供していく。

日本はAdvantechにとって「重要な市場」

――新たな企業コンセプト、ビジネス戦略の下で、日本市場をどのように位置付けられていますか。

小池氏 東京をはじめとした日本の都市は、世界でも有数のスマートシティとしてのポテンシャルを持つ。特に、東京は2020年五輪開催が決定し、スマートシティ化が間違いなく加速的に進んでいく。「スマートシティ」「IoT」にフォーカスする上で、日本市場の重要性はこれまで以上に高くなるだろう。

 Advantechが日本市場を重要視している一例として、台湾本社の各セクターに日本専属チームを設置している。日本市場/日本の顧客からの要求に応えるためのチームであり、日本市場から特に要求されるハイクオリティな製品/サービスを提供するため日々活動を行っている。

人員増強を進める

――セクターごとに営業担当を配置し、より高位のシステム提案を行うには、営業人員の増強などが必要ですね。

小池氏 日本法人であるアドバンテックとして、2013年はさまざまな営業体制の強化を実施した。1つは、販売代理店の強化で、組込みシステム分野での技術サポート力に定評がある東京エレクトロン デバイス社が新たに加わった。また2013年11月には、東京、大阪に続く国内3拠点目となる名古屋事業所を開設した。自動車産業に代表される製造業が多く集積する中部地区で、より充実した営業、サポート活動を行っていく方針だ。

 2014年についても、日本法人の人員を1〜2割増員していく。




提供:アドバンテック株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EE Times Japan 編集部/掲載内容有効期限:2014年2月13日

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