HDD大手WDの四半期業績、売上高が3四半期連続で前期を超える:福田昭のストレージ通信(306)
今回は米Western Digitalの2026会計年度第2四半期(2025年10月〜12月期)の業績を紹介する。
Non-GAAPベースの営業利益は売上高の3分の1を突破
ハードディスク装置(HDD)の大手ベンダーである米Seagate Technology(以降はSeagateと表記)と米Western Digital(以降はWDと表記)が、四半期の業績を相次いで公表した。発表日(米国時間)はSeagateが2026年1月27日、WDが同年1月29日である。そこで、SeagateとWDの四半期業績を本コラムで続けてご報告している。前回はSeagateの業績概要を紹介した。今回はWDの業績概要をご報告する。
WDの会計期間はSeagateと同様に7月から始まり、6月を決算月とする。1月29日にWDが発表したのは2025年10月〜12月期の四半期業績であり、会計年度表記では「2026会計年度第2四半期(Q2FY26)」となる。
2026会計年度第2四半期(2025年10月〜12月期)の売上高は前四半期(前期)比7%増、前年同期比25%増の30億1700万米ドルである。AI向けに大容量HDDの需要が引き続き強い。3四半期連続で売上高は前期を上回った。
営業利益はGAAPベースが前期比15%増の9億800万米ドル、Non-GAAPベースが同19%増の10億1900万米ドルといずれも2桁の伸びを見せた。GAAPベースの営業利益は2四半期連続で前期から拡大した。
粗利益率はGAAPベースが前期比2.2ポイント増の45.7%、Non-GAAPベースが同2.2ポイント増の46.1%とさらに上昇した。売上高営業利益率はGAAPベースが前期比2.0ポイント増の30.1%、Non-GAAPベースが同3.4ポイント増の33.8%である。いずれも30%を超えた。
Western Digital(WD)の四半期業績の推移。同社の公表資料から筆者がまとめたもの。なお営業損益はGAAPベースなので、業績概要のスライド(Non-GAAPベース)とは数値が一致していない[クリックで拡大]
「クラウド」分野の売上高が全体の89%を占める
応用分野別の売り上げを見ていこう。WDは売り上げを3つの分野に分けて公表している。すなわち、「クラウド(Cloud)」(パブリックあるいはプライベートのクラウド向け)、「クライアント(Client)」(直接販売、あるいは代理店経由の販売によるOEM向け)、「コンシューマー(Consumer)」(リテールその他の販売チャンネルによる一般消費者向け)、の3つである。
「クラウド」分野の売上高は前期比6.5%増、前年同期比27.5%増の26億7300万米ドルとなった。クラウド分野が全体の売り上げに占める比率は89%で、前期と変わらない。
「クライアント」分野の売上高は前期比20.5%増、前年同期比25.7%増の1億7600万米ドルである。全体の売上高に占める比率は6%となり、前期と比べて1ポイント上昇した。
「コンシューマー」分野の売上高は前期比3.7%増、前年同期比2.9%減の1億6800万米ドルとなった。全体の売上高に占める比率は6%で、前期とほぼ同じだった。
総出荷記憶容量の89%をニアライン製品が占める
HDD製品の総出荷記憶容量は215EB(エクサバイト:1018バイト)である。前の四半期と比べて11EB(5.4%)拡大した。内訳はニアライン製品が192EBで全体の89.3%を占める。前の四半期と比べて9EB(4.9%)増加した。
応用分野別の四半期売上高(上)と製品タイプ別総出荷記憶容量(下)の推移(2025会計年度第2四半期(Q2FY25)〜2026会計年度第2四半期(Q2FY26))[クリックで拡大] 出所:Western Digital
非ニアライン製品は、総出荷記憶容量が23EBと全体の10.%を占めた。前の四半期からは2EB(9.5%)拡大した。
(次回に続く)
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![応用分野別の四半期売上高比率推移(2025会計年度第2四半期(Q2FY25)〜2026会計年度第2四半期(Q2FY26))[クリックで拡大] 出所:Western Digital](https://image.itmedia.co.jp/ee/articles/2602/09/mm260209_storage03.jpg)