InfineonのSiC、トヨタの新型「bZ4X」に採用:OBCとDC-DCコンバーターに
Infineon Technologiesの炭化ケイ素(SiC) MOSFETがトヨタ自動車の新型「bZ4X」に採用された。車載充電器(OBC)およびDC-DCコンバーターに搭載。Infineonは「SiCの特性である低損失、高耐熱、高耐圧によって航続距離の延伸と充電時間の短縮の実現に寄与する」としている。
Infineon Technologies(以下、Infineon)は2026年2月9日、同社の炭化ケイ素(SiC) MOSFETがトヨタ自動車(以下、トヨタ)の新型「bZ4X」に採用されたと発表した。車載充電器(OBC)およびDC-DCコンバーター向けで「SiCの特性である低損失、高耐熱、高耐圧によって航続距離の延伸と充電時間の短縮の実現に寄与する」としている。
InfineonのSiC MOSFET製品である「CoolSiC MOSFET」は独自のトレンチゲート構造の採用によって、規格化オン抵抗の低減およびチップサイズの縮小を実現。導通損失とスイッチング損失の双方を抑制でき、車載電源システムの高効率化に貢献するものだ。さらに、寄生容量およびゲートしきい値電圧を最適化によってユニポーラゲート駆動を可能にし、車載電動ユニットのドライブ回路を簡素化、OBCおよびDC-DCコンバーターの高密度化/高信頼性設計を容易にする。
Infineonのエグゼクティブバイスプレジデント兼オートモーティブチーフセールスオフィサーのPeter Schaefer氏は「当社のCoolSiCがトヨタに選定されたことを大変誇りに思う。航続距離、エネルギー効率および性能を高めるSiCテクノロジーは、未来のクリーンなモビリティに非常に重要な役割を果たす。われわれはイノベーションとゼロディフェクト(不良品ゼロ)品質への献身的な取り組みとコミットメントを通じて、電動車のパワーエレクトロニクスへの需要の高まりに応えていく」とコメントしている。
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