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「真のニーズ」を捉えて次世代品の開発加速――顧客価値を磨くニューフレアテクノロジーニューフレアテクノロジー 代表取締役社長 齊藤匡人氏/常務取締役 大歳研司氏

フォトマスクに回路パターンを生成するマスク描画装置などを手掛けるニューフレアテクノロジー。2026年4月1日には、新社長に齊藤匡人氏が就任した。先端プロセス向けのマスク描画装置ではAI需要の追い風を生かしてシェア維持/拡大を目指す一方、マスク検査装置やエピタキシャル成長装置では新たな市場開拓を強化する。齊藤氏と常務取締役 大歳研司氏に、事業戦略の詳細を聞いた。

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AIブームに過度に左右されないビジネス

――半導体の市況をどのように見ていますか。

齊藤匡人氏 生成AIの普及を背景に、半導体市場全体は力強い成長が続いている。一方で、当社が手掛けるマスク描画装置やマスク検査装置の分野は、半導体市場の動きとはやや異なる様相で推移する。大きな市場の動きには乗りながらも、今回のAIブームのような急激な変化に直ちに連動するものでは無い。市況に過度に左右されないビジネスともいえる。

AI需要の波を逃さずシェア拡大へ

ニューフレアテクノロジー 代表取締役社長 齊藤匡人氏
ニューフレアテクノロジー 代表取締役社長 齊藤匡人氏

――ニューフレアテクノロジーはマスク描画装置、マスク検査装置、エピタキシャル成長装置の3つを手掛けています。それぞれの事業戦略についてお聞かせください。

齊藤氏 当社のマスク描画装置は、最先端プロセス向けの製品だ。AIブームとは必ずしも連動しないと述べたが、次世代プロセスに移行するタイミングを逃してはならない。2nmノードが本格的に到来し、その先のA14ノード、さらにその先へと移行する際、必要な性能を備えた装置を、必要な時期に投入することが重要だ。そこでビジネス機会を捉えられれば、大きな利益につながるだけでなく、当社装置の採用拡大も期待できる。次世代プロセスへの移行と装置開発のタイミングを同期させ、AI需要の拡大という追い風を捉え、シェア拡大を狙う。

 マスク検査装置については、競合製品が事実上の業界標準となっている。その中で市場を切り開くため、競合との差別化を進めるとともに、新興市場での拡販にも注力する。新興市場では既存の業界標準に縛られにくく、参入の余地が大きい。

 エピタキシャル成長装置は、パワー半導体市場の動向に依存する部分が大きい。炭化ケイ素(SiC)向けは、電気自動車市場の停滞によって大きな影響を受けているのが実情だが、データセンター向けという新たな需要も見え始めている。当社は窒化ガリウム(GaN)向けエピタキシャル成長装置も手掛けているので、SiC/GaNの両輪で新たな市場開拓を進める。欧米市場を主要ターゲットとして、拡販に力を入れる。

ハードの強みを踏襲しながらソフトで差別化

――マスク描画装置の競争力を高めるポイントについてお聞かせください。

大歳研司氏 重要なのはソフトウェアの開発だ。当社の最新のマスク描画装置「MBM-4000」では、50万本以上もの電子ビーム(マルチビーム)でフォトマスクに回路パターンを描画する。その際、ビーム一本一本のエネルギーの強度を精密に制御したり、顧客要求に応じた補正を行ったりする。こうした制御は全てソフトで実現しているので、ソフトの性能が競争力の鍵になる。


マルチ電子ビームマスク描画装置「MBM-4000」 提供:ニューフレアテクノロジー
※「MBM」はニューフレアテクノロジーの登録商標です。

 ハードウェアに対する要求は、成熟しているシングルビーム描画装置の方が厳しかった。そこで培ったハードの技術をマルチビーム描画装置に生かせるので、ソフトの開発により多くのリソースを投入できることが強みだ。

新興市場のニーズに合うDUV用マスク検査装置


ニューフレアテクノロジー 常務取締役 大歳研司氏

――マスク検査装置についてはいかがでしょうか。

大歳氏 競合が注力する極端紫外線(EUV)露光用ではなく、深紫外(DUV)露光用に注力している。現在は顧客との対話を重ね、ニーズをさらに深掘りし、戦略の具体化を加速させている。

 依然として市場では110nmなど成熟ノードの需要も高く、DUV用検査装置のニーズがある。こうした市場特性を踏まえ、120nmのレガシープロセスからDUV用の先端プロセスまで1台の装置で対応できるマスク検査装置を開発し、プロセス移行後も長く使用できる装置の提供に力を入れている。

顧客との強固な信頼関係

――ニューフレアテクノロジーの強みと課題をあらためてお聞かせください。

齊藤氏 前身である東芝機械の時代から長年にわたりマスク描画装置を手掛けてきた。技術力に加え、一定のシェアを維持しながら築き上げてきた顧客との強固な信頼関係が大きな強みだ。次世代装置の開発と最適なタイミングでの市場投入には、顧客の声が欠かせない。

大歳氏 顧客との交流をより重視している。当社装置に関する講義を行う取り組みなどを進めていて、非常に好評だ。講義中に寄せられる質問や要望は、装置開発においてもヒントになる。時間をかけて丁寧に顧客と向き合い、信頼関係を積み重ねることが、装置ビジネスでは何より重要だ。

齊藤氏 課題は売上高がマスク描画装置に偏っている点だ。リスク分散の観点からも、このバランスを改善していきたい。長年事業を展開してきたことで、市場での導入台数も増えているので、保守サービスを担う人材の確保や管理運用コストの最適化、装置開発の技術継承も重要だ。これらに対応すべく、事業部横断で技術やマーケティングのノウハウを共有し、競争力の底上げを図る。

マスク検査装置「NPI-8000」エピタキシャル成長装置「EPIREVO S8」 マスク検査装置「NPI-8000」(左)とエピタキシャル成長装置「EPIREVO S8」(右)
提供:ニューフレアテクノロジー
※「EPIREVO」はニューフレアテクノロジーの登録商標です。

顧客の“真のニーズ”を読み取り、価値提供につなげる

――2026年4月1日付で新社長に就任され、約5カ月が経過しました。あらためてこれからの意気込みをお聞かせください。

齊藤氏 社内には、顧客重視の姿勢を大切にしてほしいと伝えている。顧客から「このような装置が欲しい」という要望を受けた際には、そこには必ず「その装置を使うことで実現したい効果」というニーズが存在する。装置の仕様や性能だけでなく、その先にある顧客の期待や目的を正しく読み取る。それこそが“真のニーズ”をつかむということだ。顧客との関係においてだけでなく、社内で仕事を進めるうえでもその姿勢を持つことで、顧客への提供価値をさらに高めていく。



提供:株式会社ニューフレアテクノロジー
アイティメディア営業企画/制作:EE Times Japan 編集部/掲載内容有効期限:2026年9月23日

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