検索
Special

Matterを体感! 次世代スマートホーム規格で作る「便利で快適な住環境」CEATEC 2024でネクスティ エレクトロニクスがデモを披露

ネクスティ エレクトロニクスは、スマートホームの共通規格として注目される「Matter(マター)」関連の技術を「CEATEC 2024」で展示する。Matterに準拠したデバイスを使ったスマートホームネットワークを構築し、カーテンの開閉や電子ロックの開錠/施錠などのデモを用意。Matterが作り出す次世代スマートホームの“世界観”を味わうことができる。

PC用表示
Share
Tweet
LINE
Hatena
PR

 ネクスティ エレクトロニクスは、「Toward Society 5.0」を具現化するソリューションを「CEATEC 2024」の会場で提案する。特に注力する分野の一つとして「スマートホーム」を挙げる。スマートホームの共通規格である「Matter(マター)」に準拠したネットワークを構築し、「便利で快適、安全な住環境」を実現するシステムについてデモを交えて紹介する。

 CEATEC 2024(会期:2024年10月15〜18日 会場:千葉・幕張メッセ)は、「経済発展と社会課題の解決を両立する『Society 5.0』の実現を目指し、あらゆる産業・業種の人と技術・情報が集い、『共創』によって未来を描く」ことを開催趣旨とする、国内最大級のテクノロジーイベントだ。

 ネクスティ エレクトロニクスは、企業ビジョンとして掲げる「より善き社会の実現に貢献するイノベーションデザイナー」として、独自開発のさまざまなソリューションをワンストップで顧客に提供できるという強みを生かした展示を行う。

 展示ブースでは「スマートホーム」「スマートファクトリー」「オートモーティブ」「NEXTY」という4つのエリアで「ネクスティ エレクトロニクスが描く未来」の一端を具体的に示す。特に、スマートホームのゾーンでは来場者がその機能を体感できるようになっている。

スマートホームネットワークの共通化に向けて規格統一

 TVやオーディオ、エアコン、照明器具などの家電製品は各機器に付属するリモコンで操作するのが一般的だ。近年はAmazonやApple、Googleなどのスマートスピーカーをホームコントロールハブとして使い、家電を音声で制御しているユーザーも増えている。

 スマートスピーカーでの音声制御は、複数のリモコンを使うことに比べれば便利ではあるが、課題もある。各社が提供するIoT(モノのインターネット)プラットフォームには互換性がなく、プラットフォーマー間でスマート家電を連携させられないという点だ。さまざまなメーカーの家電製品を利用しているユーザーにとって、使い勝手が良いとは言い切れなかった。家電機器メーカーにとっても、プラットフォームごとにファームウェアを開発して認証を取得しなければならず、開発作業が煩雑になっていた。

 こうした課題を解決するために登場したのがMatterだ。スマートホームネットワークを共通化する統一規格として、2022年10月にバージョン1.0がリリースされた。独自ネットワークの上位層に位置する新たな通信規格で、Matterに対応した機器はメーカーの壁を越えてシームレスにつながる。住居の完全自動化を目指すMatterは、「スマートホームのゲームチェンジャー」になり得るとの見方もある。


ホームネットワークの現状と将来

ネクスティ エレクトロニクス 事業開発ユニット開発2部の部長を務める尾崎哲也氏

 Matterでは、イーサネットやWi-Fi、Threadといったネットワーク層を利用して機器同士が直接通信を行う。Threadはホームネットワーク用に策定された通信規格で、無線機器を網目のようにつなぐ「メッシュネットワーク」を自己形成する。ホームコントロールハブの電波が直接届かない場所に置かれたスマート家電機器も、メッシュネットワークを介して制御できる。

 ホームネットワークにつながる全ての機器は、スマートスピーカーによる音声操作やスマートフォンなどにインストールされた標準アプリで制御できる。さらに、Matterを管理・運営する標準化団体「Connectivity Standards Alliance」(CSA)認証局によるデジタル署名によって、通信の安全性も担保されている。

 ネクスティ エレクトロニクス 事業開発ユニット開発2部の部長を務める尾崎哲也氏は、「機器メーカーを意識せずに、ホームネットワークに接続された機器をスマートフォンのアプリを利用して操作・制御できる。ホームネットワークに参加するための機器の初期設定も、QRコードを読み込むだけで簡単に設定できる」と、Matter対応スマートホームを導入することのメリットについて語る。


Matterの対応前と対応後の比較

Matter関連の動きが鈍い日本市場

 ネクスティ エレクトロニクスによれば、北米市場では、既にスマートスピーカーの普及率(出荷ベース)が35%に達している。これらのほとんどはMatter対応製品で、照明器具や電動カーテンの制御などに広く利用されている。


ネクスティ エレクトロニクス 事業開発ユニットMM事業推進部 部長の吉田順一氏

 北米市場を中心に普及率が高まるMatter対応機器だが、日本市場の動きは鈍い。Matter普及の「土台」とも言うべきスマートスピーカーの普及率も北米に比べると低い。日本市場ではスマートホームに対して「製品が高価で、生活必需品と言うよりも付加価値製品」「手動操作で十分」といった声も根強い。Matterが2022年に登場したばかりの新しい規格ということもあり、日本では本格的な普及がまだ始まっていないのではないかと尾崎氏は分析する。

 一方で、ライフスタイルの多様化に伴ってスマートホーム化のニーズも高まりつつある。玄関やガレージ、カーテンの開閉、AV機器や照明器具、エアコンの電源オン/オフといった省力化、省人化、セキュリティリスクの軽減、家族の遠隔見守りや介護といった課題に向けて、「便利で快適、安全な住環境を実現するための有効手段」との見方が増えてきたからだ。

 Matterが登場したことで、スマートホーム市場はこれまで以上に活性化するとみられている。大きな可能性を秘めたスマートホーム市場に対し、ネクスティ エレクトロニクス 事業開発ユニットMM事業推進部 部長の吉田順一氏は「スマートホーム市場が形成されるタイミングを見極めながら、Matterに関する開発や技術サポートの体制について世の中の動きに先行する形で準備していく」と話す。その成果の一端をCEATECの会場で披露する。


Matterを用いたホームネットワークの例

開発現場のニーズに応えた「開発プラットフォーム」を提案

 CEATECのネクスティ エレクトロニクスのブースでは、Matterでつながる「これからのスマートホームの世界」を提案する。Matter対応スマート家電を開発する現場のニーズに応えた「開発プラットフォーム」を展示し、実機によるデモを披露する。

 スマートフォンや操作パネルで電子錠を開閉する「スマートロック」、カーテンを開閉する「スマートカーテン」、照明機器を制御する「スマートライト」の他、さまざまな用途向けのMatter対応レファレンスボードを展示する。来場者はデモ機を操作し、その機能や動作を体感できる。

 遠隔地から無線通信を利用してデータなどを送受信するOTA(Over The Air)技術を活用し、エッジデバイスのファームウェア更新を安全かつ簡単に行える仕組みを紹介する。独自開発のハブ(コントローラー)も用意した。ハブのファームウェア更新の自社管理や長期製品サイクルへの対応が可能となり、また、Matterと他規格との併用(ブリッジ機能)やエッジデバイスから独自のデータを取得する機能(ログ取得機能)を備えるなど、機器メーカーの要求に応える設計となっている。これらの特徴は市販のスマートスピーカーと大きく異なる点だ。

 また、Matter以外にも、訪問者を簡単に認識できる「ドアホン顔認証」やスマートスピーカーとの連動が可能な「音声操作モジュール」、スマートフォンやNFC(近距離無線通信)カードを用いて施錠・開錠ができる「NFCスマートロック」など、スマートホームの利便性をさらに向上させる先端デバイスも数多く紹介する。


自社開発のMatter Hubを中心としたプラットフォームのイメージ

受託開発も含めてワンストップで技術支援/開発対応を提供

 スマートホーム市場向けのビジネスを強化する上で、ネクスティ エレクトロニクスは幾つかの強みを持つ。まずは「エレクトロニクス商社」であること。同社が取り扱う半導体メーカーの多くは既にMatter対応のデバイスを製品化している。これらのデバイスを活用して、機器メーカーの設計仕様に最適な半導体デバイスを提案、提供できる。

 2つ目は、「技術支援や開発対応をワンストップで提供できる」こと。半導体ベンダーや社内のFAE(Field Application Engineers)と連携して半導体デバイスの最新情報を速やかに提供し、技術支援できる体制も整えている。自社でデジタルサイネージ製品を開発するなど、ネットワークシステムに関する豊富な知識やノウハウも保有している。これもスマートホームネットワークを実現する上で強みになる。

 3つ目はCSAへの加盟だ。CSAの日本支部である「Japan Interest Group」(JIG)が2024年4月に設立された際に、設立メンバーとして参画した。エレクトロニクス商社としては唯一の参画企業だという。CSA/JIGや参画メンバーとの連携により、Matterに関する最新情報を機器メーカーに提供する。日本市場におけるユーザーの声をMatter規格に反映させるための活動も行う。

 ネクスティ エレクトロニクスは、これらの強みを生かしながら受託開発などの事業も視野に入れ、日本企業がスマートホーム市場で競争力を高めるための技術支援を行う。

 北米などに比べるとMatterの普及ではやや後れを取っている日本だが、今後は家電メーカーのみならずホームメーカーや建具メーカーなども巻き込んで普及するとみられている。ネクスティ エレクトロニクスがCEATEC 2024で披露するデモは、Matter対応スマート家電の開発に携わる技術者やMatter関連の情報を探している業界関係者がMatterで実現する次世代のスマートホームを体感する絶好の機会になるだろう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:株式会社ネクスティ エレクトロニクス
アイティメディア営業企画/制作:EE Times Japan 編集部/掲載内容有効期限:2024年10月14日

ページトップに戻る