ついにできた!Rapidus試作ライン稼働、2nm GAAトランジスタの動作を確認:顧客獲得にも弾み(1/2 ページ)
Rapidusは、最先端半導体の開発/生産を行う「IIM-1」(北海道千歳市)で、2nm GAA(Gate All Around)トランジスタの試作を開始し、動作を確認したと発表した。Rapidus 社長兼CEOの小池淳義氏は「2nm GAAトランジスタがこのスピードで本当にできたということに、顧客は非常に驚き、ものすごい期待を持つだろう」と語った。
Rapidusは2025年7月18日、最先端半導体の開発/生産を行う「IIM-1」(北海道千歳市)で、2nmノードのGAA(Gate All Around)トランジスタの試作を開始し、動作を確認したと発表した。
これに合わせて同日、同社は千歳市で記者会見を開き、試作品チップの実物を公開した。Rapidus 社長兼CEOの小池淳義氏は「2nm GAAトランジスタがこのスピードで本当にできたということに、顧客は非常に驚き、ものすごい期待を持つだろうと確信している」と語った。
設立から3年 「魂のロット」で動作確認
会見では、小池氏がスライドショー形式で写真や動画を見せながらRapidusの歩みを紹介した。Rapidusの設立は2022年8月で、当時の従業員数は14人だった。同年12月にはIBMと戦略的パートナーシップを締結した。IBMが研究してきたGAA技術がIIM-1での開発に生かされている。
2023年2月には千歳市に工場を建設すると発表し、同年9月にIIM-1の起工式を行った。小池氏は「何もないところから建設業者やRapidusの従業員が一致団結して建設を進めた」と振り返る。
2024年12月にはクリーンルームを整備し、製造装置を搬入した。「量産向けに極端紫外線(EUV)露光装置を入れるのは日本で初めてだった」(小池氏)
2025年4月にはEUV露光装置を用いた露光/現像に成功し、6月16日には試作ラインにウエハーを投入したという。小池氏は最初のロットを「魂のロット」と称し、「Rapidusの従業員がほとんど寝ずに作業した」と強調。7月10日にGAAトランジスタの動作を確認したという。
小池氏は試作チップについて「日本で初めて、2nm GAAトランジスタの動作を確認した。これは画期的なことだ」と強調。歩留まりについては明言しなかったが「2027年の量産に向けてさらに特性や歩留まりを高めていく」と述べた。
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