新JFETやSuper Junction品投入へ、InfineonのSiC戦略:PCIM Expo&Conference 2025(1/3 ページ)
Infineon Technologiesは高速かつ堅牢な電力供給システムに対する需要に対応するSiC JFETデバイスや、オン抵抗を従来比40%削減するトレンチベースのスーパージャンクション技術を採用したSiC MOSFETの開発など、SiCパワー半導体事業においてさらなる競争力の強化を図っている。
シリコン、SiC(炭化ケイ素)、GaN(窒化ガリウム)の各パワー半導体を展開しパワー半導体市場で首位の座を維持するInfineon Technologies(以下、Infineon)。SiCでは新たに高速かつ堅牢な電力供給システムに対する需要に対応するSiC JFETデバイスや、オン抵抗を従来比40%削減するトレンチベースのスーパージャンクション(Trench-based SiC Super Junction:TSJ)技術を採用したSiC MOSFETも開発していて、さらなる競争力の強化を図っている。
あらゆるニーズへの対応に向けラインアップ拡充
Infineonは世界最大規模のパワーエレクトロニクス展示会「PCIM Expo&Conference 2025」(2025年5月6〜8日/ドイツ・ニュルンベルク)においてメディアラウンドテーブルを実施し、同社のSiCパワーデバイス製品戦略を紹介した。
Infineonは2024年3月に、トレンチ構造を採用する第2世代のSiC MOSFET製品「CoolSiC MOSFET Generation 2(G2)」を発表。産業グレードのディスクリートでは、耐圧400Vや1400V品を新たに開発したほか、高効率の冷却が可能なTSC(上面冷却)品およびTSC製品でで低コストかつ高い電力密度とシステム効率を実現する「Q-DPAK」パッケージも投入するなど続々と製品ラインアップを拡充。SiCパワーデバイスの生産能力の拡大なども図り、市場シェア拡大に向けた取り組みを加速してきた。
同社のFellow SiC Innovation & IndustrializationのPeter Friedrichs氏は「こうした多様なパッケージプラットフォームを用意しているのは、全てターゲットアプリケーションの具体的なニーズに応えるためだ。新たな設計やトポロジーの多様性によって、より具体的でアプリケーション主導型、カスタマイズ型のニーズが高まっている」と語っていた。
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