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回路電流は160nA、小型CMOSオペアンプをロームが開発:バッテリーの長時間使用も可能に
ロームは、動作時の回路電流が極めて少なく、外形寸法も1mm角以下と小さいCMOSオペアンプ「TLR1901GXZ」を発売した。電池駆動の携帯型計測器やウェアラブル端末機器などの計測センスアンプ用途に向ける。
ボールピッチが0.35mm、外形1mm角以下のWLCSPで供給
ロームは2025年7月、動作時の回路電流が極めて少なく、外形寸法も1mm角以下と小さいCMOSオペアンプ「TLR1901GXZ」の販売を始めた。電池駆動の携帯型計測器やウェアラブル端末機器などの計測センスアンプ用途に向ける。
TLR1901GXZは、パッケージとしてボールピッチが0.35mmのWLCSPで供給する。動作時の回路電流は160nA(代表値)と業界最小に抑えた。これによって、実装面積に制限があるモバイル機器に実装することができ、バッテリーの長時間使用も可能となった。
入力オフセット電圧は最大0.55mV。低消費電流オペアンプの中では極めて低く、一般品に比べ約45%も低減した。入力オフセット電圧温度ドリフトは、最大7μV/℃を保証している。このため、外部温度の影響を受けやすい機器でも高い精度で動作する。オペアンプのゲイン調整用として、ローム製の超小型汎用抵抗器を同時に用いれば、設計の自由度をさらに高めることができるという。
TLR1901GXZは既に販売中で、コアスタッフオンラインやチップワンストップなどから購入できる。サンプル価格(税別)は300円。初期評価や置き換えを検討している顧客に対しては、IC実装済みSSOP5への変換基板も用意している。
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