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超小型部品の欠陥をAIで検出、1分間で2000個を検査:TDK SenseEIが開発
TDKのグループ会社であるTDK SensEIは、AIを活用して製品の欠陥を高速に検出するシステム「edgeRX Vision」を開発、供給を始めた。TDK SensEI製センサーとの連係により、製造ラインにおける欠陥検出の誤り率を最小限に抑えることができ、生産効率を大幅に向上できるという。
誤検出を最小限に抑えてトータルコストを削減、生産効率も向上
TDKのグループ会社であるTDK SensEIは2025年7月、AIを活用して製品の欠陥を高速に検出するシステム「edgeRX Vision」を開発、供給を始めたと発表した。TDK SensEI製センサーとの連携により、製造ラインにおける欠陥検出の誤り率を最小限に抑えることができ、生産効率を大幅に向上させられるという。
AIを搭載した最新のマシンビジョンは、エッジAIを活用し視覚データをリアルタイムに処理することができる。しかも、タスクごとの再学習が不要で、検出やセグメンテーションなど、幅広いビジョンタスクに対応できる。
これらのシステムは、「自己教師あり学習」や「少数ショット学習」によってラベル効率も向上しており、データを準備するためのコストを削減できるという。また、マルチモーダル機能を搭載するによって、直感的な人と機械のやり取りが可能となった。
edgeRX Visionは搭載したエッジAIにより、外形寸法が1×0.5mmという極めて小さなMLCC(積層セラミックコンデンサー)なども、「高精度」かつ「1分間に最大2000個という処理能力」で部品を識別できる。欠陥検出の誤り率を最小限にすることで、不要な製造装置の停止を少なくでき、生産効率の向上とトータルコストの節減などが可能になる。
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