検索
ニュース

「ニコン初」後工程向け露光装置の概要を公開 L/S 1μmで50パネル/時600mm角基板対応(1/2 ページ)

ニコンが2025年7月、同社初の半導体後工程向け露光装置である「DSP-100」の受注を開始した。L/S(ライン/スペース)1.0μmという高解像度かつ1時間当たり50パネルという高生産性を両立、さらに600mm角の大型基板に対応したデジタル露光装置で、拡大が見込まれる先進パッケージング向けの需要にこたえる。2026年度中に市場に投入する予定だ

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena

 ニコンは2025年7月16日、同社初の半導体後工程向け露光装置である「DSP-100」の受注を開始したと発表した。L/S(ライン/スペース)1.0μmという高解像度かつ1時間当たり50パネルという高生産性を両立、さらに600mm角の大型基板に対応したデジタル露光装置で、拡大が見込まれる先進パッケージング向けの需要にこたえる。2026年度中に市場に投入する予定だ。

露光した基板
露光した基板[クリックで拡大] 出所:ニコン

「ニコン初」の装置、その概要を正式に発表

 AI技術の普及でデータセンター向けを中心に半導体のさらなる高性能化が求められる中、チップレット集積などの先進パッケージング分野への注目度が高まっている。先進パッケージングでは、配線パターンの微細化やパッケージの大型化に向けた開発が加速。樹脂やガラス基板などを用いたパネルレベルパッケージ(PLP)の需要拡大が見込まれていて、高い解像度と大きな露光面積を両立させた露光装置が求められている。

チップレットのイメージ(左:上面図、右:断面図)
チップレットのイメージ(左:上面図、右:断面図)[クリックで拡大] 出所:ニコン

 ニコンは2024年10月に解像度1.0μm(L/S)の「デジタル露光装置」の開発を進めていると発表していた。今回、同社はこのデジタル露光装置の受注開始に合わせ、概要とともに正式にDSP-100を発表した形だ。

独自技術で高解像度と高生産性を両立

 DSP-100は、光源はi線相当で、1.0μm(L/S)の解像度かつ≦±0.3μmという高い重ね合わせ精度に加え、1時間当たり50パネル(510×515mm基板の場合)の高生産性を実現する。これはニコンが半導体露光装置で培った「高解像度技術」と、FPD(フラットパネルディスプレイ)露光装置向けの「マルチレンズテクノロジー」によるものだという。

 マルチレンズテクノロジーは、複数の投影レンズを並べて精密に制御することで1本の巨大レンズを用いたかのように露光するニコンの独自技術で、1回の露光でより広い範囲へのパターニングができるようになる。

半導体露光装置で培った「高解像度技術」と、FPD露光装置向けの「マルチレンズテクノロジー」による高生産性を両立
半導体露光装置で培った「高解像度技術」と、FPD露光装置向けの「マルチレンズテクノロジー」による高生産性を両立[クリックで拡大] 出所:ニコン

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       | 次のページへ
ページトップに戻る