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41%と記録的な変換効率の太陽電池、ドイツFraunhofer研究所が開発エネルギー技術 太陽電池

GaAs(ガリウム・ヒ素)やGe(ゲルマニウム)の基板にIII-Vの半導体材料を蒸着して製造した。

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 ドイツのフライブルグを拠点とする研究機関のFraunhofer Instituteは、太陽電池の変換効率を41%にまで高めることに成功したと発表した。同研究機関は、「世界最高となる変換効率を実現した」と主張している。

 Fraunhofer InstituteのSolar Energy Systems部門(Fraunhofer ISE)の発表によると、こうした高い変換効率の実現には、太陽電池向け半導体材料を成長させるためのある技術が大きく貢献しているという(参考リンク:英語の発表資料)。

 今回発表した太陽電池は、GaAs(ガリウム・ヒ素)やGe(ゲルマニウム)の基板にIII-Vの半導体材料を蒸着させて作られている。


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図1 41.1%の変換効率を達成した太陽電池 セル面積は5.09mm2。材料はGa0.35In0.65P/Ga0.83In0.17As/Ge。出典:ドイツFraunhofer ISE

 同研究機関は独自に開発した「アモルファス多セル(amorphous multiple cells)」技術によって、不純物による電荷トラップの発生を回避することに成功した。一般に、格子定数が異なる材料を用いた場合は、電子が異なる材料間を移動する際にトラップされるという現象が発生する。だが同研究機関の研究者らは、この現象が太陽電池の中で電子が少ない領域でしか起こらないように改良を加えたという。その結果、電子が集中する領域では電子トラップの発生をほぼ回避でき、41%という高い変換効率を実現できた。同研究機関でマネジャーを務めるEicke Weber氏は、今回の成果について、「半導体材料中の結晶欠陥を制御することで、技術的なブレークスルーを果たせるという好例だ」と述べている。

 Fraunhofer Instituteでは、454倍の集光比で集めた光を5mm2の太陽電池に照射する実験を行い、41.4%の変換効率を得ることに成功した。

 同研究機関の科学者らは今回、アモルファス多セル技術に加えて、半導体材料の構成を厳選して、太陽電池の感度分布を太陽光線の波長分布に限界まで近づけることも試みた。これも高い変換効率に寄与しているという。

 Fraunhofer ISEは、同技術を早期に実用化するとともに、旧来の発電方式に対する競争力を高めるため、独Azur Spaceおよび独Concentrix Solarと提携を結んでいる。

 今後の開発のポイントとして、Fraunhofer ISE部門でディレクタを務めるAndreas Bett氏は、太陽電池の変換効率と発電コストの関係性を指摘する。同氏は「太陽電池を使った発電システムのエネルギーコストを低減するには、変換効率の高い太陽電池の利用が最も効果的である。われわれは、旧来の発電方式と競合できる太陽電池の実現を目指す」と語っている。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】


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