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コンチネンタル社、Androidベースの情報系車載プラットフォームを開発組み込み技術

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 車載部品のティア1ベンダーであるドイツContinental(コンチネンタル)社が、車載向けインターネット・プラットフォーム「AutoLinQ」を開発した。自動車所有者に、インターネット・アプリケーションの有用性を実感してもらうのが狙いだ。同プラットフォームは、米Google社が開発した携帯電話機向けソフトウエア・プラットフォーム「Android(アンドロイド)」をベースに開発された。

 2009年6月に米国ミシガン州ノーバイ市で開催された「Telematics Detroit 2009」で公開されたAutoLinQは、ハードウエアとソフトウエアを組み合わせたシステムだ。同システムを搭載した自動車の運転者は、車内にいながらにして、ウェブ・ベースのアプリケーション・ソフトウエアを活用できる。ハードウエア側は各アプリケーション・ソフトウエアから利用できる機能を提供し、画面出力表示や統合3G無線機器によるコミュニケーションなど、さまざまな機能を実現する。Continental社は、同プラットフォームの開発を通じて、常時接続環境の追求に意欲を見せており、具体的には位置情報サービスの提供などを視野に入れているという。さらに、オープン・プラットフォームを利用することで、自動車の状態に関する技術情報を必要とするアプリケーション・ソフトウエアも記述可能となる。

 自動車の車内という環境を考慮して、大半のアプリケーション・ソフトウエアでは、音声制御が取り入れられ、出力結果も音声によるだろう、と同社の広報担当者は説明する。ただし、ナビゲーション情報の表示など、車内に設置されたディスプレイに、出力を表示させることも可能だという。

 Continental社はAndroidを選んだ理由として、オープンソース・プラットフォームであること、そして、多くのソフトウエア開発者に馴染みのあるプラットフォームであることを挙げている。同社の広報担当者は、第三者によるアプリケーション・ソフトウエアの開発を推奨する一方で、「当社は、新しい独立系アプリケーション・ソフトウエアが絶えず開発される状況を望んでいるわけではない。それよりも、互いに相互作用するソフトウエアが開発されることに期待したい」と説明する。

 つまり、Continental社は、米Apple社が成功した「iPhone」のアイデアを、自動車という環境で再現したいようだ。

 Continental社はすでに、米Microsoft社の車載情報端末向けソフトウエア・プラットフォーム「Windows Automotive」をベースにした、インフォテインメント・プラットフォームを出荷している。同プラットフォームは、自動車環境に特化されたオペレーティング・システムやミドルウェアからなる。今回Androidを採用した新プラットフォームは、Windowsプラットフォームの代替ではなく、補完的な役割を果たすという。「Microsoft社のWindows Automotiveをベースに開発した当社のプラットフォームは、確かに、性能面で優位性を持つだけでなく、エコシステムとしての信頼も獲得している。しかし、Androidを採用することで、当社は目まぐるしいスピードで変化する市場ニーズにも対応できるようになるはずだ」(Continental社の広報担当者)。

 Androidの採用が吉と出るか凶と出るかは、アプリケーション・プログラマが同システムを受け入れるか否かにかかっている。「非公開機能の搭載は予定していない。カー・ユーザーにあらゆる種類のインターネット機能を提供したい」と、広報担当者は話している。もちろん、安全と安心、ユーザビリティを確保するために、使用条件や仕様、利用規定をあらかじめ取り決めるという。

 また、Continental社は、ドイツ国外のOEMベンダーから寄せられた、同システムに関する要望にも応じる予定だ。事実、AutoLinQを採用するかどうか、搭載するとしてどのような方法を採るかを決めるのは、OEMベンダーである。そのため、AutoLinQを搭載した自動車の出荷時期は、現段階で未定であるという。広報担当者は、「AutoLinQが採用されるか否かは、どの程度のアプリケーション・ソフトウエアが対応するかによって決まるだろう」と推測している。

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