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米半導体メーカーが、Light Peak用トランシーバICを開発高速シリアルインタフェース技術 Thunderbolt

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 シリコン・ゲルマニウム(SiGe)チップの設計を手掛ける米Ensphere Solutions社は、同社が持つCMOSチップの設計技術を活かして、10Gビット/秒のデータ転送に対応するトランシーバICを開発した。このICは米Intel社の「Light Peak」技術に対応するもので、光信号から電気信号への変換と、電気信号から光信号への変換の2チャネルを搭載する。

 Light Peakは、コンピュータとディスプレイ、外部記憶装置、ドッキング・ステーション、プリンタ、ウェブ・カメラ、携帯電話機などをつなぐインターフェースだ。接続には一般的な光ファイバを使い、それぞれの装置特有の入出力信号を10Gビット/秒で流せる。

 これまでEnsphere社の主な事業は受託設計だったが、2008年に事業範囲を広げた。具体的には、180nmのSiGeバイポーラCMOSプロセスで製造した10Gビット/秒対応の電気-光変換トランシーバなどの提供を始めた。今回、Light Peakに取り組むに当たって同社は、65nmのCMOSプロセスでの製造に挑戦した。

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 同社のマーケティング部門で副社長を務めるAl Gharakhanian氏は、「これまでに販売していた10Gビット/秒対応のトランシーバは50米ドル以上と高価だった。しかし、民生機器への採用を促すには、これを10米ドルまで下げなければならない。そこで、標準的なCMOSプロセスを採用し、ビット誤り率10-12と消費電力135mWの2つの仕様を満たすために懸命に取り組んだ」と述べた。

 Intel社はEnsphere社などのパートナ企業とともに、光接続技術に使う部品開発に取り組んでいる。ソニーは、ノート・パソコン「VAIO」にLight Peakを搭載しようとしている。さまざまな周辺機器とのインタフェースを、Light Peakに一本化するのが狙いだ。

 米Avago Technologies社は、Light Peakに向けて厚さが2mmと極めて薄い光コネクタを開発した。レーザー発光部との接続に向けたものだ。デンマークIPtronics社は、送信用の面発光型半導体レーザー(VCSEL)と受信用のPINフォト・ダイオードを発表した。Intel社自身も、Ensphere社が開発したICと電気信号をやりとりするコントローラICを提供している。

 Gharakhanian氏は、「このコントローラICの電気信号インターフェースの仕様を満たすために、Intel社と密に連携して開発を進める必要があった。さらに、光信号側でも、VCSELやPINフォト・ダイオードとの互換性を確保するために同様の取り組みが必要だった」と言う。

 2つのチャネルを搭載したEnsphere社のICを使えば、LANのようなネットワークを構築でき、その上にさまざまな種類の信号を共存させながら10Gビット/秒で通信できる。機器と機器の間はデイジーチェーン接続する。ネットワーク上の任意の機器が信号の始点にもなり、終点にもなる。例えば、コンピュータとディスプレイの間をLight Peakで接続すれば、その光ケーブルにDisplayPort信号とDVDプレーヤのストリーミング動画を載せたHDMI信号を同時に流せる。

 Light PeakのコントローラICは、それぞれ異なる種類の信号で送られるさまざまな機器からのデータを1つにまとめ、光ファイバを通して適切な機器へ送信する。信号が目的の機器にたどり着くと、その機器が必要としているデータだけが分離される仕組みになっている。

 Ensphere社のトランシーバIC「ESI-XVR10100」は外形寸法が1.7mm×0.7mmで、それぞれ送信機能と受信機能を備える2つのチャネルを備える。ユーザーは、1つのチャネルを機器への接続に使える。もう1つのチャネルはデータをほかの機器に流すためにデイジーチェーン接続する。

 ICはむき出しのダイになっており、PINフォトダイオードとVCSELを搭載したプリント基板に載った形、つまり完全な光学モジュールとして提供される。

 このトランシーバICはさまざまな診断機能と、電力管理機能を搭載する。すでにサンプル出荷は始まっており、2009年中に量産出荷が始まる予定だ。

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