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「統合センサーで新たな価値創造」、ST社のMEMS事業責任者が戦略語るセンシング技術

STMicroelectronics社でMEMS(Micro Electromechanical Systems)事業の責任者を務めているBenedetto Vigna氏は、本誌のインタビューに答え、今後の事業計画や新製品の開発計画について語った。

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 スイスSTMicroelectronics社でMEMS(Micro Electromechanical Systems)事業の責任者を務めているBenedetto Vigna氏は、本誌のインタビューに答え、今後の事業計画や新製品の開発計画について語った(図1)。

 現在、コントローラを振って遊ぶゲーム機や、方向を検知してディスプレイ表示を変える携帯電話機などに、MEMS技術を使ったセンサーが幅広く使われている。同社は、このような民生機器に向けたMEMS製品分野で、第1位の市場シェアを有する。加速度センサーや角速度(ジャイロ)センサーなどのMEMS製品を同社の中核事業と位置付け、品種拡充を続けてきた。2009年6月には1軸および2軸のジャイロ・センサーの品ぞろえを拡充した。2010年3月には3軸のジャイロ・センサーを市場に投入する。

図1
図1 図1 STMicroelectronics社のBenedetto Vigna氏 同社のMEMS事業の立ち上げ時期から事業に携わってきた。現在、Group Vice President兼MEMS & Healthcare Product DivisionのGeneral Managerを務める。

 同氏は、現在注目する市場として自動車分野を挙げた。ドライブ・レコーダやカーナビ、車載情報端末、エアバッグ装置や車両制御システムへの各種センサーの搭載を目指す。自動車に搭載する部品は、過酷な環境でも動作する信頼性が求められる。同氏は、「これまで民生分野向けにMEMSセンサーを大量に製造してきた実績があり、蓄積した設計/製造のノウハウは膨大だ。不具合が発生しやすいポイントなどの弱みを熟知しており、これをMEMSセンサーの設計に生かすことで不良率を下げられる」と説明した。

 2008年第4四半期に自動車向け加速度センサーの量産を始めたのに続いて、2009年10月には同社にとって2品種目となる自動車向け加速度センサーを発売した。このほか、これまで実績がある民生分野にも引き続き注力する。「カーナビをさらに小型化した個人向けのパーソナル・ナビゲーション装置(PND)や、デジタル・カメラ、リモコンという新たな用途にも期待したい」(同氏)。

処理ソフトウエアも提供

 Vigna氏は将来の製品展望として、複数の異なるセンサーを1つの小型パッケージに統合する計画を明らかにした。加速度センサーやジャイロ・センサー、圧力センサーに加えて、マイコンを統合するもので、「iNEMO(iNErtial MOdule)」と呼ぶ。無線通信機能を搭載することも想定している。

図2
図2 統合センサー「iNEMO」のデモ用基板 複数の異なるタイプのセンサーやマイコンを統合するというスマート・センサーを提案する。

 現在、複数の異なるセンサー・チップをプリント基板に実装したモジュールをコンセプト紹介用に提供している(図2)。2011年後半には、わずか50mm3程度のパッケージにすべてを実装する計画である。3軸加速度センサー素子と3軸ジャイロ・センサー素子を、THELMA(Thick Epitaxial Layer for Microgyro and Accelerometer)と呼ぶ独自のMEMS技術で1チップに集積することなどで小型にする。

 このほか、マイコンで動かすファームウエアやアプリケーション・ソフトウエアも同社が提供する計画である。「機器の小型化や、開発期間の短縮に役立つだろう。さらにはMEMSセンサーの新たな用途開拓につながると期待している」(同氏)STMicroelectronics社は、加速度センサーやジャイロ・センサー、圧力センサーといったさまざまセンサーおよびマイコンを自社製品群に有しており、この点が統合センサーの開発を進める上で、競合他社に対する優位点だとした。

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