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車載ネットワーク「MOST」の順調な普及を訴求、最新版採用の車種が2011年登場へ有線通信技術 MOST

車載ネットワーク規格「MOST(Media Oriented Systems Transport)」の普及促進を図る業界団体「MOST Cooperation」は、2009年11月5日に東京都内で開催したMOSTインターコネクティビティー・アジア会議の会場で報道機関向け説明会を開催し、MOST規格の採用状況や今後の採用動向を説明した。

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 車載ネットワーク規格「MOST(Media Oriented Systems Transport)」の普及促進を図る業界団体「MOST Cooperation」は、2009年11月5日に東京都内で開催したMOSTインターコネクティビティー・アジア会議の会場で報道機関向け説明会を開催し、MOST規格の採用状況や今後の採用動向を説明した。

図1
図1 Christian Thioel氏
MOST CooperationのAdministratorを務めている。

 MOSTは、例えばカーナビやDVDプレーヤといった機器間でのマルチメディア・コンテンツのやりとりに向けた情報系車載ネットワーク規格である。現在、データ伝送速度が最大25Mビット/秒の「MOST25」と、最大50Mビット/秒の「MOST50」を採用した車種が市場に登場している。

 説明会で登壇したMOST CooperationのAdministratorであるChristian Thioel氏は、MOST規格が広く普及するまでには4つのステップがあると説明した。1段階目は、欧州の高級車に採用が進むこと、2段階目はアジア地域の高級車に採用が進むこと、3段階目は欧州およびアジア地域の大衆車に普及すること、4段階目は米国にMOST規格採用の動きが波及することである。

図2
図2 MOST規格が普及するステップ
MOST規格が広く普及するまでのステップを4つに分けて説明した。

 現在、3段階目から4段階目にかけての普及段階にあるという。欧州地域ではすでに高級車でMOST25の採用が進んでおり、「当初の採用車種が一通りモデル・チェンジした後も、継続的にMOST規格が採用されている」(同氏)。また、アジア地域については高級車を中心に採用の動きが活発化しており、合計14車種が採用した。現在、MOST25規格とMOST50規格を採用した車種は全世界で合計で80車種、採用企業は16社に達したという。

 同氏は、MOST規格の最新版である「MOST150」の実用化が、今後の普及を後押しすると説明した。MOST150はデータ伝送速度が最大150Mビット/秒と高速なことや、MOSTネットワーク上でイーサネット・フレームを扱う「イーサネット・チャネル」を用意したことが特長である。イーサネット・チャネルを使えば、インターネットに接続する機器の設計が容易になる。

 すでに、「ドイツAudi社やドイツVolkswagen社、ドイツDaimler社がMOST150規格の採用を表明している。2011年にはMOST150規格を採用した車種が市場に登場する見込みだ」(同氏)という。米国への波及についても、米General Motors社がMOST規格の採用に前向きだと説明した。

図3
図3 現在の普及状況
アジア地域の自動車メーカーにも採用が進んできた。今後、欧州の自動車メーカーの大衆車にも採用が進むとする。

 MOST150の次世代規格の策定スケジュールについては、「顧客がMOST 150の実装作業を終えた後に、次の仕様を策定する段階に入る」(同氏)とだけ説明した。

図4
図4 最新規格MOST150のデモ
データ伝送速度は最大150Mビット/秒で、HD映像を合計4系統、ストリーミング可能である。

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