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【IEDM 2009】IMEC、次世代パワー半導体として期待されるGaN-on-Siパワー半導体の開発に成功パワー半導体

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 2009年12月7〜9日に米国メリーランド州ボルチモアで開催された半導体素子の国際学会「2009 IEEE International Electron Devices Meeting(IEDM 2009)」で、ベルギーの研究機関であるIMECがパワー半導体に関する画期的な研究成果を発表した(講演番号 7.4 Low Leakage High Breakdown E-Mode GaN DHFET on Si by Selective Removal of In-Situ Grown Si3N4)。

 IMECは、GaN-on-Siパワー・スイッチング半導体を実現する技術として、Si(シリコン)基板上にGaN(窒化ガリウム)層をヘテロエピタキシャル成長させたダブル・へテロ構造の電界効果トランジスタ(FET)に関する論文を発表した。

 高電圧パワー半導体には従来、Si-MOSFET構造が使われてきた。しかし、Siパワー半導体は材料物性による性能限界に達しており、多くの電源機器に求められる性能を満たすことが難しくなってきた。

図1
図1 IMECが開発したパワー半導体
SiN/AlGaN/GaN構造を採る電界効果トランジスタである。絶縁破壊電圧は980V。 出典:IMEC

 GaNはバンドギャップが大きいため、Siパワー半導体の代替候補として最適だ。ただし、GaNパワー半導体はコスト面で課題が残る。

 IMECは、Si基板上にSiN(窒化シリコン)をゲート絶縁膜に用いたAlGaN(窒化アルミニウム・ガリウム)/GaN/AlGaNのダブル・へテロ構造を採るFETを用いることで、絶縁破壊電圧が約1000Vと高く、電気抵抗が低いGaNパワー半導体素子を実現した。IMECの研究開発グループは、「ダブル・へテロ構造のFETを、III族窒化物層と同様にエピタキシャル成長させたin-situ SiNと組み合わせることで、エンハンスメント・モード(Eモード)FETの開発に成功した」と説明している。

 「こうした技術を適用した結果、SiNゲート絶縁膜に用いたAlGaN/GaN/AlGaNのダブル・へテロ接合FETは、980Vと高い絶縁破壊電圧を実現した」(IMEC)という。

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