米Rayspan社は、同社のメタマテリアル・アンテナを実装した携帯電話機を使ったときに、人体が吸収する電磁波のエネルギが、従来のアンテナを搭載した携帯電話機よりも大幅に低かったと発表した。
人体が吸収する電磁波のエネルギを表す指標には、SAR(Specific Absorption Rate)値を使う。メタマテリアル・アンテナを実装した業界初の携帯電話機である韓国LG ELectronics社の「LG BL40」のSAR値は、0.21W/kgだった。これに対して、この次にSAR値が低かった韓国Samsung Electronics社の携帯電話機「Omnia ?」のSAR値は「LG BL40のほぼ3倍だった」(同社)という。このほか、米Apple社のiPhone 3GSでは0.79、カナダ Research In Motion(RIM)社のBlackBerry Curve 8520では1.22だった。
図1 メタマテリアル・アンテナを初搭載した携帯電話機「LG BL40」
メタマテリアル・アンテナを採用することで、SAR(Specific Absorption Rate)値を0.21W/kgと、ほかの携帯電話機に比べて低く抑えられたとする。
メタマテリアル・アンテナには、無線特性を損ねることなく携帯電話機を小型化/薄型化できることや、アンテナの設計期間を短縮できるといった特長がある。LG Electronics社の最高技術責任者(CTO)であるWoo Paik氏は、「メタマテリアル・アンテナを採用することで、薄型ながらも高い無線特性を実現できた」とコメントしている。
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