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Marvell社、世界初のクアッド・コアARMプロセッサを発表プロセッサ/マイコン ARMマイコン

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 ストレージ機器や通信機器、民生機器に向けた半導体を手掛ける米Marvell Technology Group社は、英ARM社が開発した命令セット・アーキテクチャに準拠した、クアッド・コア(4コア)・プロセッサを開発したと発表した。ARM社の命令セット・アーキテクチャに準拠したクアッドコア・プロセッサの発表は世界初である。

 このプロセッサは、1GHzを超える周波数で動作し、4つのコアにデータを同時に処理させることで、高い性能を発揮する。大量出荷が見込めるゲーム機器や民生機器に向けて設計したものだという。

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 新しいクアッド・コア・プロセッサは、同社が2009年10月に発売した「Armada 500/600」をベースにしたものだ。同社はこれらの製品が、ARMv7命令セット・アーキテクチャに準拠していることは公表しているが、同社独自のマイクロ・アーキテクチャを採用しているのか、英ARM社の「Cortex-A8」や「Cortex-A9」といったコアIPの提供を受けたのかは明らかにしていない。Cortex-A9は、ARMv7命令セット・アーキテクチャに準拠しており、最大で4つのコアを搭載できる。

 ほかにも明らかでない点がある。同社は、新しいクアッド・コア・プロセッサに適用する製造技術や、製造するファウンドリ、どれくらいの容量のメモリーを統合するのか、どれくらいの電力を消費するのかといったことをまだ明らかにしていない。また、このプロセッサが、設計が完了して製造段階には入るのを待っているのか、すでにチップの製造を始めているのかという点も不明だ。

 同社の共同設立者でありコンシューマ/コンピューティング事業部のゼネラル・マネジャを務めるWeili Dai氏は、「当社がクアッド・コア技術を世界に向けて発表したことで、民生機器向けのCPU開発の流れを大きく動かすことになるだろう」と述べている。

 米国の市場調査会社であるEnderle Group社で主任アナリストを務めるRob Enderle氏は、「Armadaが登場する前は、ARM社を中心とするエコシステムは、プロセッサの性能という点で壁に突き当たっていると考えられていた。しかし、Marvell社がクアッド・コア技術を発表したことで、ARMプロセッサの持つ真の可能性が示された。ARMプロセッサは今後も、民生機器向けの高性能CPUとして広く採用されることになるだろう」と語った。

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