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携帯型コンピュータのプロセッサ、「2013年にはARMがx86を超える」プロセッサ/マイコン

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 2010年1月現在、ネットブックや小型ノート・パソコン、MID(Mobile Internet Device:インターネット接続機能を備えた携帯型情報機器)といった、UMD(Ultra Mobile Devices)が搭載するプロセッサと言えば米Intel社のx86アーキテクチャのものがほとんどだ。

 しかし、米ABI Research社は、今後UMDに、英ARM社のアーキテクチャを採用したプロセッサを導入するメーカーが急速に増えると予測している(図1)。2013年にはARMアーキテクチャのプロセッサを搭載した機器の出荷台数が、x86プロセッサを搭載した機器の出荷台数を上回るとさえ予想している。

図1
図1 米Lenovo社のSkylight
米Qualcomm社の「Snapdragon」を搭載する。Snapdragonは、ARMアーキテクチャのプロセッサ・コアを備える。2010 International CESでLenovo社が展示した。

 2009年は、UMDの90%がx86プロセッサを搭載していた。ほかの情報筋によれば、2009年に各社が出荷した携帯型パソコンの94%にx86プロセッサが入っており、圧倒的な優位を確保していたという。しかし、その状況は大きく変わっていくことになりそうだ。

 ABI Research社でシニア・アナリストを務めるJeff Orr氏は、「2010年はUMD市場において、x86アーキテクチャ以外のプロセッサが勢力を大きく拡大する、極めて重要な年になる。世界規模で販売経路が拡大し、ユーザー人口が増大するだろう」と述べている。

 UMDの中でもネットブックは、第2世代へと移行しつつある。ARMプロセッサを搭載したネットブックが続々と登場しており、その出荷台数は増大する一方だ。さらに、ARMプロセッサは、タブレット型のコンピュータなど、さまざまな形態のコンピュータに浸透してきている。

 ABI Research社は、UMD市場における年間出荷台数を明確にはしていないが、プロセッサ・アーキテクチャごとの市場占有率の予測を発表している。予測によると、2010年はx86プロセッサが75%、ARMプロセッサが25%。2012年は、まだx86アーキテクチャが優勢を維持して60%。一方、ARMアーキテクチャは40%まで伸びる。そして、2013年にはARMアーキテクチャが優位に転じ、2014年はARMアーキテクチャが60%と勢力が逆転するという。ABI Research社は、Intel社とARM社以外のアーキテクチャのプロセッサがUMD市場に参入することはないと見ている。

 ARMプロセッサの急速な普及を予測したのは、ABI Research社だけではない。米The Information Network社でアナリストを務めるRobert Castellano氏は、2012年にはARM社がUMD市場で主導権を握ると予測している。同氏の予測によれば、2012年にはx86プロセッサを搭載したネットブックの出荷台数は4320万になる。そして、ARMプロセッサを搭載した製品の出荷台数は5290万台に達するという。

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