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TSMCが電子ビーム・リソグラフィ装置を導入、目標は22nm製造技術の先かプロセス技術

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 台湾の半導体ファウンドリ大手Taiwan Semiconductor Manufacturing(TSMC)社は、同社が台湾に持つファブ「GigaFab」(Fab 12)にオランダMapper Lithography社の電子ビーム・リソグラフィ装置を導入した。新装置は、既存の液浸リソグラフィ技術では到底実現できないほど微細な回路パターンを持つ半導体を作れるという。

 TSMC社と、Mapper Lithography社は今回の電子ビーム・リソグラフィ装置の納入について、2008年に同意していた。このリソグラフィ装置は、300mmウエハーに対応し、複数の電子ビームをウエハーのSi(シリコン)基盤に直接照射することで、フォトマスクを使うことなく回路パターンを描画できる。TSMC社は、研究開発と、製造ラインのプロトタイプ作りのために今回の装置を導入した。

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 TSMC社は装置を導入し、電子ビーム・リソグラフィ技術を研究することで、半導体製造技術において一歩前進することになる。この技術は来るべき22nm製造技術に試験的に使われることも考えられるが、より微細な製造技術に進んだときに出番が来るだろう。

 Mapper Lithography社によると、同社の電子ビーム・リソグラフィ装置は、同時に1万本以上の電子ビームをウエハーに照射して、回路パターンを描画する。既存のリソグラフィ装置で不可欠な、フォトマスクは不要になるという。この電子ビーム・リソグラフィ装置は今後2年にわたって改良を加えられる。同社は、この装置は2年後には、半導体の量産に十分使える装置になっているだろうとしている。

 TSMC社の研究開発部門でシニア・バイス・プレジデントを務めるShang-Yi Chiang氏は、「TSMC社とMapper Lithography社との開発プロジェクトでは、電子ビームで直接回路を描画するという野心的な目標を立てたが、それを達成できた。この素晴らしい結果から、TSMC社は、電子ビーム・リソグラフィ技術が、将来のリソグラフィ技術の標準の1つになると考えている」と述べた。

 ちなみに、TSMC社とMapper Lithography社の協業は、CEA-Leti(フランス原子力庁電子・情報技術研究所)の産業プログラム「IMAGINE」の枠の中で実現した。両社はこの産業プログラムに参加している。同プログラムは、電子ビームでウエハー上に回路パターンを直接書き込むリソグラフィ技術を実現することを目指している。

 TSMC社は、IMAGINEプログラムに3年間参加したことによって、フォトマスクを使用しないリソグラフィ技術の基盤整備に確かな道筋をつけたほか、高い生産能力を追求しているMapper Lithography社の技術を利用する機会も得たとしている。IMAGINEプログラムは、世界的な規模で展開しており、ツール評価やパターニングとプロセスの統合、データ処理、試作およびコスト分析などの研究を進めている。TSMC社は2009年中ごろに同プログラムに参加した。

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