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スタンフォード大学の研究チーム、有機ELディスプレイ用グラフェン電極を開発ディスプレイ技術 有機EL

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 現在、有機ELディスプレイの透明電極には、ITO(酸化インジウム・スズ)が広く使われている。しかし、ITOは品薄で高価であるという問題がある。米Stanford University(スタンフォード大学)の研究チームは、ITO電極よりも低コストで、薄く、高速に動作する有機ELディスプレイ向けグラフェン電極の試作に成功したと発表した。グラフェン電極が実用化に耐えるものになれば、品薄なITOに頼る必要がなくなる。さらに、折り曲げ可能な有機ELディスプレイの開発が進むという。

 グラフェンは、大型基板の上に直接形成するのは難しいとされてきた。そこで、Stanford Universityの研究チームは、グラフェンを溶液に溶かし、スピンコートで基板上に分散させる技法を開発し、有機EL向けの透明電極をグラフェンで作製することに成功したという。この技法を使うと、低コストで基板上にグラフェンを形成可能だという。

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 既存の有機ELディスプレイは、画素の透明電極に無機物であるITOを使用している。しかしITOは、先に述べたように高価で、供給量が少ないという問題がある。Stanford Universityの研究チームは、「ITOの代わりにグラフェンを使えば、コストをおよそ100分の1に抑えられる」と説明する。

 さらに、「グラフェンはITOと比べ電子移動度が高いため、より薄く、透明度と伝導性の高い電極を作れる」という。このようなグラフェンの特性を利用すれば、折り曲げ可能な超薄型ディスプレイも作れるという。

 Stanford UniversityでElectrical Engineering Departmentの教授を務めるPeter Peumans氏とともにこの研究を手掛け、博士号を取得予定であるJunbo Wu氏は、「われわれが開発した電極は、わずか2〜3nmと薄く、ディスプレイをより自由に設計できる」と説明する。

 同研究チームは現在、材料の電気伝導性を高めるために水晶基板上でグラフェンに真空アニーリング(熱処理)を施しているが、この真空アニーリング処理をせずにグラフェン電極を作製する手法の開発に取り組んでいる。近い将来、折り曲げ可能なプラスチック基板上にグラフェン電極を低温処理で作製できるようになるだろう。

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