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IBM、SOI基板上に実装したグラフェンで光通信を実現プロセス技術 SOI基板

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 米IBM社は、SOI(Silicon On Insulator)基板にグラフェンを材料とする光検出器を配置し、10Gビット/秒でデータ通信する世界初のデモを実演した。デモで使った光検出器はくし形のソースとドレインに金属を使用し、ゲートにグラフェンを使ったFET(Field Effect Transistor)だ。

 この垂直入射型の光検出器は、1.55μmの波長で通信したときに6.1mA/Wまで感度を高めることに成功した。そして、300nm〜6μmと、かなり広い波長領域で使えることが実証された。グラフェンを使った光検出器は、光通信だけでなく、リモート・センシングや環境モニタリング、監視などにも活用できると有望視されている。

 現時点で、この光検出器と同じ波長に対応するには、GaN(窒化ガリウム)などのIII-V族化合物半導体を使わなければならない。IBM社はSOI基板にグラフェンを組み合わせることで、既存のCMOS技術で光回路を製造することを目指している。

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 同社は2009年10月に、グラフェンを使った光検出器のデモを披露している。このときは、40Gビット/秒での動作に成功していた。そして、電極にPd(パラジウム)を使えば、最終的にはTHz(テラヘルツ)級の速度でも通信可能になると予測していた。

 今回のデモで同社は、ソース電極にPdを、ドレイン電極にTi(チタン)を使用し、ゲートの材料としてグラフェンを使うことで、金属/グラフェン/金属の非対称型FETを製造した。フォトン(光子)がグラフェンに衝突すると、電子と正孔のペアがいくつもできる。このペアは強力な電界が存在しない限り再結合するが、くし形のソースとドレインが、ゲートに影響を与えると、再結合できなくなる。

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