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高効率パワー・アンプの設計を支援、アクティブ・ロード・プル測定システムを製品化テスト/計測

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 英Mesuro(メズロ)社は、日本テクトロニクスと共同で、無線基地局や携帯型端末用パワー・アンプの特性測定システムを開発した(図1)。被測定デバイス(パワー・アンプ)の負荷を電気的に制御する「アクティブ・ロード・プル(Active Load Pull)」技術を使ったもの。Mesuro社の販売代理店であるネットウエルが、販売および技術サポートを担当する。

 メカニカルな機構を使わず負荷制御

 Mesuro社のCTOを務めているJohannes Benedikt氏(図2)は、アクティブ・ロード・プル技術を採用したパワー・アンプの測定システムを使う利点について、「高出力・高効率のパワーアンプの開発期間の短縮に貢献する」と説明した。

図1
図1 アクティブ・ロード・プル技術を使ったパワー・アンプの特性測定システム
測定システムの標準構成は、英Mesuro社のアクティブ・ロード・プル測定システム(中央と右側のボックス)、米Tektronix社の任意波形ジェネレータ(左下)とデジタル・シグナル・アナライザ(右上)、米Applied Wave Research(AWR)社のEDAツール「MWO-225」。Mesuro社の販売代理店であるネットウエルが販売および技術サポートを担当する。すでに販売を開始している。出典:日本テクトロニクス
図2
図2 Johannes Benedikt氏
英Mesuro社のCTOを務めている。

 無線でやり取りされるデータ量が増大している一方で、無線基地局や携帯型端末の消費電力の削減や小型化の要求も強い。この2つの要求に応えるには、無線基地局や携帯型端末に使うパワー・アンプの高効率化や動作周波数帯域幅の拡大が鍵となる。発表した測定システムを使えば、これまで手間の掛かっていた測定作業をスムーズにできるという。「パワー・アンプを設計するときに使う高周波シミュレーション技術の進歩は著しいものの、これに比べて実際に特性を測定する技術が追い付いていなかった。両者には隔たりがあり、設計者はこれに苦しんでいたと考えている。当社の測定システムは、シミュレーション技術と測定技術の融合を図るものだ」(同氏)。

図3
図3 アクティブ・ロード・プル測定システムの構成
今回製品化したアクティブ・ロード・プル測定システムの構成。オープン・ループの測定システムで、クローズ・ループの測定システムと比べると、測定システムの安定度が高いとする。出典:Mesuro社/日本テクトロニクス

 測定システムの標準構成は、英Mesuro社のアクティブ・ロード・プル測定システム「MB20/MB150」、米Tektronix社の任意波形ジェネレータ「AWG7000B」とデジタル・シグナル・アナライザ「DSA8200」、米Applied Wave Research(AWR)社のEDAツール「MWO-225」である。

 被測定デバイス(パワー・アンプ)に供給する信号は、任意波形ジェネレータと英Mesuro社のアクティブ・ロード・プル測定システムが生成し、信号の取り込みはデジタル・シグナル・アナライザが担当する(図3)。被測定デバイスに供給する信号を変えて、被測定デバイスの負荷インピーダンスを動的に制御する。任意の値に負荷インピーダンスを設定でき、50Ω負荷よりも高い値はもちろん、低い値にも設定できるとする。また、高周波信号の波形の観測をはじめ、パワー、スペクトル、Sパラメータといったパワー・アンプの評価に使う特性を高い精度で効率よく測定できるという(図4)。

 提供を開始した測定システムは、直流から最大70GHzの広い周波数帯域に渡って動作することや、小信号のみならず大信号(非線形領域)でも実際の動作条件で評価できることが大きな特長だと説明した。「負荷を制御するときに、パッシブ・チューナを使わないため、煩雑な測定作業は不要で、測定エラーの低減につながる」(同氏)。

 取り扱える電力はMB20が20W、MB150が150W。実際の高周波信号の波形から、振幅や位相といった情報を忠実に抽出する技術(同社は、「ウェーブ・フォーム・エンジニアリング」と呼ぶ)に加えて、振幅や位相、周波数を正確に制御した高周波信号を供給する技術にノウハウがあるようだ。

 EDAツールは、AWR社のツール以外にも、例えば米Agilent Technologiesの「ADS(Advanced Design System)などが使える。標準構成の測定システムの価格は7500万円(税抜)。「測定システムのレンタル・サービスや測定サービスを提供することも検討している」(ネットウエルの代表取締役社長の榎本格氏)。

図4
図4
英Mesuro社のアクティブ・ロード・プル測定システムの利用イメージである。測定結果をいろいろな角度から見られる。出典:Mesuro社/日本テクトロニクス

 アイデア提案は1976年

 アクティブ・ロード・プル技術については、電気通信大学の先端ワイヤレスコミュニケーション研究センターの特任教授である高山洋一郎氏が、1976年の高周波・マイクロ波関連のシンポジウム「International Microwave Symposium」で、初めてアイデアを提案した(高山氏の当時の所属はNEC)。

 「アクティブ・ロード・プル技術は、広く知られた技術だったものの、この技術を使った(メカニカルな機構の無い)測定システムはこれまで実用化できていなかった」(Benedikt氏)と主張する。これまで、アクティブ・ロード・プル技術には、ひずみ測定が難しいといった、いくつかの課題があったようだ。なお、Mesuro社は、英国Cardiff University(カーディフ大学)の研究成果の事業化を目的に、2008年9月に設立された。

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