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「x86搭載組み込み機器は確実に増えている」、AMDが組み込み向けプロセッサを発表プロセッサ/マイコン

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 米Advanced Micro Devices(AMD)社は、組み込み機器関連の開発者会議「Embedded Systems Conference 2010(ESC 2010)」(2010年4月26〜29日に米カリフォルニア州シリコンバレーで開催)において、組み込み機器向けプロセッサ9製品と、対応チップセット「AMD 785E」(図1)を発表した。新発表のプロセッサは、同社の組み込み機器向けプロセッサとしては初めてDDR3メモリーに対応する。

 新しい組み込みプロセッサ製品は、コアを1つだけ搭載し、8WのTDP(熱設計電力)で動作周波数が1GHzの「Athlon II Neo」のような消費電力節減を狙った製品から、プロセッサ・コアを4つ搭載し、65WのTDPで動作周波数が2.2GHzの「Phenom II」のようなマルチスレッド・プログラムの処理性能を重視したもの、プロセッサ・コアを2つ搭載し、45WのTDPで動作周波数が2.8GHzのPhenom IIなど動作周波数の向上を狙ったものと、多様な品揃えになっている(図2)。

図1
図1 米Advanced Micro Devices(AMD)社の組み込み機器向け製品のロゴ・マーク
同社は、消費電力、チップ・サイズ、チップのコストという3つの問題に取り組むという。
図2
図2 今回AMD社が発表したプロセッサとチップセットを搭載したテスト用基板
基板の大きさは、約9cm×約15cm。出典:AMD社

 AMD社で2007年に創立されたEmbedded Solutionsグループのディレクタを務めるBuddy Broeker氏は、「昨年発表した組み込み機器向け製品と比べると、非常に性能の高いものだ」と述べている。AMD社は、自社の組み込み機器向け製品には5年〜7年の保証を付けるとしている。

 Broeker氏は、「これまでの歴史を見ると、消費電力、チップ・サイズ、チップのコストという3つの問題が、組み込み機器向けx86プロセッサの発展を妨げてきた。今回の新製品では、消費電力とチップ・サイズの問題を小さくできたと考えている」と述べている。

 AMD社は、2011年にGPU(Graphics Processing Unit)とx86プロセッサ・コアを1つのダイに統合した「Fusion(開発コード名)」シリーズの初めての製品を発売する予定だ。Broeker氏は、「パソコン向けのFusionが登場してから3カ月以内に、組み込み機器向けFusionが登場する予定だ。GPUを統合して、部品点数の削減に貢献するFusionは、組み込み機器でx86チップを使うときの問題の1つであるコストの問題を解決するだろう」と次世代製品への期待を語った。

 またBroeker氏は、「データセンター用のルーターのような高価で高性能な組み込み機器は、x86プロセッサを採用する方向へ急速に動いている。より高い処理性能を求めて、64ビット・プロセッサを使うためだ。ほかにも、デジタル・サイネージやカジノ、アーケード・ゲームなどの分野が、我々にとって新たな市場となっている」と述べた。

 AMD社は、x86事業に専念するため、これまでの数年間でMIPSアーキテクチャのプロセッサやセットトップ・ボックス、携帯型端末向けプロセッサなど、x86アーキテクチャのプロセッサ以外の事業を売却してきた。同社の最大のライバルである米Intel社も、自社のパソコン向けチップの組み込み機器版を提供している。さらにIntel社は、デジタル・テレビやネットワーク機器などに向けたシステム・オン・チップ(SoC)事業を2年以上続けている。

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