日立情報通信エンジニアリングは2010年5月11日、ASIC開発に向けたプロトタイピング用ボード「LogicBench」の新版を発表した(図1)。米Xilinx(ザイリンクス)社の高性能FPGA「Virtex-6」を4つ搭載しており、論理規模を従来製品の2.4倍となる2400万ゲートまで拡大し、FPGA間の信号通信の周波数を従来製品の2.5倍となる500MHzとしたことが特長。大規模ASICのプロトタイプを高速に動作させることができる。LogicBenchを積み重ねる形で複数接続して、論理規模を拡大することも可能。
このほかにVirtex-6を2つ搭載したボードも用意する。このボードの論理規模は1000万ゲート。さらに、開発用PCとの接続に使うボード「VirtualTurbo-III」(図2)も用意する。VirtualTurbo-IIIはLogicBenchを接続するコネクタを備えるほか、パソコンとの接続インターフェイスとしてPCI Express(x8)も持つ。そして、VirtualTurbo-IIIもVirtex-6を2つ搭載している。500万ゲートまでの論理回路のプロトタイピングならVirtualTurbo-IIIだけでも可能だ。
図1 日立情報通信エンジニアリングの「LogicBench」
米Xilinx社のFPGA「Virtex-6」を4つ搭載する。4つのFPGAの上下に見えるコネクタに、LogicBenchを追加接続できる。
VirtualTurbo-IIIは、PC上で動作するプログラムに向けてAPI(Application Programming Interface)を用意しており、このAPIを使うことでVirtualTurbo-IIIとPC上で動作するプログラムを連携させることもできる。例えば、論理シミュレータや、仮想プロトタイピング・ツールとの連携も可能だという。
日立情報通信エンジニアリングは、5月12日〜14日に東京ビッグサイトで開催される「第13回組込みシステム開発技術展(ESEC 2010)」にVirtualTurbo-IIIを出展し、デモンストレーションを実施する予定だ。
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