野村證券の英国ロンドン支店に勤務するアナリストのリポートによると、オランダASML Holding社は、22nm/20nm製造技術に対応するリソグラフィ装置で、米Intel(インテル)社からの受注を独占する可能性があるという。
このコメントは、アナリストがオランダのフェルトホーフェンにあるASML Holding社を訪問して入手した話が根拠になっている。半導体製造装置を2社から調達するという体制について、Intel社が見直しを検討しているというのだ。
現在Intel社は、リソグラフィ装置の供給ベンダーを2社選定し、主となる1社に大量発注し、残りをもう1社に発注している。装置発注先をいつでも切り替えられるようにして、装置メーカーの間で価格競争をさせ、なるべく安い価格で装置を導入できるようにしていたのだ。しかし、最先端の半導体製造装置は複雑になりすぎて導入に莫大なコストが掛かる。そのため、Intel社はこれまでの体制を変更せざるを得ないだろうとアナリストは見ている。
32nm製造技術向けリソグラフィ装置は、ASML社のライバルであるニコンがほぼ独占的に供給しているが、22nm製造技術においてはIntel社は、ASML社とニコンの2社にほぼ同じように装置を発注すると見られている。
野村證券のアナリストによると、ASML社の経営陣は、Intel社の次世代の半導体製造技術に対応する製造装置では、最低でもIntel社の発注の50%を確保できると考えており、注文を独占できる可能性もあると自信をのぞかせたという。
韓国Samsung Electronics社や台湾TSMC社、東芝といった半導体メーカーも、2010年中に次世代製造技術に向けたリソグラフィ装置の調達計画を決定すると見られており、各社の決定が、今後18カ月〜24カ月のリソグラフィ装置市場を左右すると野村證券は分析している。
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記事掲載に当たり、1点誤りがございました。本文中で、オランダASML Holding社の本社所在地を「ブリュッヘン」としていましたが、正しくは「フェルトホーフェン」です。お詫びして訂正いたします。本文は訂正済みの内容に書き換えました。
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