2010年6月15日〜17日に米国ハワイ州で開催された半導体デバイスに関する国際会議「2010 Symposia on VLSI Technology and Circuits」で、米Intel(インテル)社は、 すでに発表している32nm製造技術の新たな展開である、RF(高周波)通信向けSoC技術を披露した(A 32nm Low Power RF CMOS SOC Technology Featuring High-k/Metal Gate、セッション13.2)。
同社はすでに、高誘電率(high-k)/金属ゲート技術を適用した32nm製造技術を発表しており、2009年には、同技術を適用したマイクロプロセッサの出荷を開始している。同社にとって今回は、32nm製造技術に関する3度目の発表となる。
Intel社でバイスプレジデント兼コンポーネントリサーチ部門担当ディレクタを務めるMike Mayberry氏は、「当社は過去に2回、32nm製造技術に関する発表を行ってきた。1度目がプロセッサで、2度目がSoC向け技術、そして3度目となる今回は、SoCにRF通信機能を統合した」と語っている。
2010 Symposia on VLSI Technology and Circuitsのプレゼンテーションで、同社は「32nm製造技術を適用したRF通信向けSoC技術は、高性能でリーク電流が非常に少ないため、最先端のRF/移動体通信市場に適している」と説明した。
同社が発表した論文によると、「同技術は、nMOSトランジスタで遮断周波数(fT)が420GHzと高い性能を誇り、低消費電力回路用nMOSトランジスタでも218GHzを実現できるという。このとき、漏れ電流は30pA/μmである。
この技術にインダクタやレジスタを組み合わせ、CMOSパワーアンプで使用するブレークダウン電圧が高いトランジスタも組み合わせると、無線LANやWiMAX、携帯電話通信、GPSといった技術に応用できる。
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