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欧州委員会がARMプロセッサ搭載サーバの研究に補助金を出資ビジネスニュース 業界動向

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 欧州委員会(EC:European Commission)は、共同研究プロジェクト「EuroCloud」に補助金を出資すると発表した。このプロジェクトは、データセンターに英ARM社が設計するアーキテクチャを採用したプロセッサを導入することで、エネルギ消費量と二酸化炭素排出量を低減できる効果があるかどうかを検証するプロジェクトだ。

 EuroCloudの参加メンバーは、ARM社とフィンランドNokia社、ベルギーの研究機関であるIMEC(Interuniversity Microelectronics Center)、スイスの大学であるEcole Polytechnique Fdrale de Lausanne(EPFL)、キプロスの大学であるUniversity of Cyprusだ。ECは、第7次枠組計画(FP7)に基づき、EuroCloudプロジェクトに3年間資金を提供する。データセンターのサーバに、低消費電力のプロセッサと3次元構造のDRAMを採用することで、従来のサーバと比べて、コスト効率やエネルギ効率を大幅に高められることを実証していく。

 EuroCloudでは、十分な処理能力を得るために、プロセッサにはARM社が設計したプロセッサコア「Cortex-A9 MPcore」を採用したものを使う。さらに、3次元構造のDRAMを使うことで、プロセッサがメモリに高速にアクセスできるかどうかを検証する。

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 ARM社でリサーチ担当バイスプレジデントを務めるKrisztian Flautner氏は、発表資料の中で、「当社が開発した最新のプロセッサは、十分な処理性能を備え、新機能を追加した。このプロセッサなら、データセンターなどの設備が抱えている重大なエネルギ問題に対処できるはずだ」とコメントしている。

 また、Nokia社でリサーチマネジャーを務めるMika Kuulusa氏は、同じ発表資料の中で、「例えば、1000人のユーザーからの通信を処理するために1つのプロセッサが必要だとすると、2012年にはデータセンターで、3億人のユーザーに対して30万個のプロセッサが必要になる。当社は、業界で最も消費電力が低い小型機器を作つ技術を持っている。現在は、真に環境に優しい『Ovi』サービスを顧客に提供するべく研究に取り組んでいる」とコメントしている。Oviとは、Nokia社が提供するオンラインサービスの名称である。

 EPFLでParallel Systems Architecture Lab担当ディレクターを務めるBabak Falsafi教授も、「サーバに負荷が掛かると、ほとんどの場合メモリがボトルネックになる。プロセッサが複雑な計算を高速に処理する性能を備えてもメリットはほとんどない。組み込み機器で使うプロセッサに3次元構造のDRAMを組み合わせれば、消費電力量に制約がある環境でも効率良く処理を進められる。今や、データセンターに組み込み機器の部品を導入して、消費電力量の節約を実現できる段階にある」と述べる。

 また、IMECのNikolas Minas氏は、「われわれが開発した3次元実装技術は、これまでトレードオフの関係にあった、処理性能と電力消費量の関係を一変させる。3次元実装技術は、コンピュータの設計を大きく変え、データセンターの電力消費量を大幅に削減するだろう。IMECは今回のプロジェクトにおいて、環境に優しいサーバの実現に向け、プロジェクトの参加メンバーが革新的なプロセッサチップを開発できるよう、独自技術を提供した」と述べている。

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