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コグニティブ端末に向けたパワーアンプICがいよいよ登場、ディー・クルーが製品化へ無線通信技術 コグニティブ無線

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 コグニティブ無線端末に向けたパワーアンプICがいよいよ登場する。

 ディー・クルー・テクノロジーズは、周波数帯切り替え機能を搭載したパワーアンプICの開発にめどをつけた。1チップで周波数切り替え機能を実現する。「周波数切り替え機能を搭載した、携帯型無線端末向けパワーアンプICの製品化は業界初」(同社のCTO兼プラットフォーム開発統括部長である美齊津摂夫氏)。製品化の第1弾となる品種のサンプル出荷を2010年12月に開始する予定である(図1)。

 同社のパワーアンプICでは、ベースバンド・プロセッサからの制御信号を基に、対応する周波数帯域を切り替える。3つの周波数帯の切り替えに対応しており、発表した3品種のうち、「DC1302」と「DC1402」は、1.5GHz〜1.8GHz、1.9GHz〜2.2GHz、2.3GHz〜2.7GHz帯。「DC1303」は、2.4GHz〜2.7GHz、2.8GHz〜3.1GHz、3.2GHz〜3.5GHzに対応した。

 コグニティブ無線とは、データのやりとりに利用する周波数帯域や帯域幅、通信方式などを、その時々の状況(例えば、混雑度)に合わせて動的に切り替える技術である。例えば無線LAN(Wi-Fi)やモバイルWiMAX、HSPA+、LTEといった複数の通信方式のうち、最適な通信方式を選択して利用することが可能になる。ただ、コグニティブ無線に対応した小型の無線端末を実現するには、複数の周波数帯域に対して電力付加効率(PAE)が高いパワーアンプICの開発が課題の1つとされていた。

図1
図1 周波数帯切り替え機能を搭載したパワーアンプICの開発ロードマップ
横軸は時間、縦軸は変調精度(EVM)が2.5%のときのリニア出力電力である。周波数切り替え機能を搭載した3品種(図右)を製品化する。まず、周波数範囲が1.5GHz〜2.7GHzに対応した品種「DC1302」のサンプル出荷を2010年12月に始める。その後、残る2品種であるDC1303とDC1402のサンプル出荷は、2011年第3四半期に開始する予定である。出典:ディー・クルー・テクノロジーズ

 レギュレータ内蔵で電源電圧範囲を広げる

 周波数帯切り替え機能を搭載したほか、同社従来品に比べてPAEを高めたことや消費電力を削減したことも特長である。

 PAEは、同社従来品であるDC12シリーズに比べて5ポイント向上した。例えば、DC1302のPAEは、出力電力が25dBmのとき30%、20dBmのとき20%、15dBmのとき10%である。「最大電力を出したときだけではなく、20dBmや15dBmといった通常使用する出力電力のときのPAEも高い」(美齊津氏)。消費電力については、DC12シリーズに比べて5%程度削減した。例えば、DC1302の消費電流は、出力電力が25dBmのとき320mAである。

 利得は、3品種とも33dB。変調精度(EVM)が2.5%のときのリニア出力電力は25dBm(DC1302とDC1303)である。

 チップ内部で最適な電源電圧を生成するレギュレータを搭載しており、電源電圧は3.0V〜3.7Vと広い(DC1302とDC1303の場合)。「リチウムイオン2次電池を直接、接続可能である」(同氏)。パッケージはいずれの品種も、外形寸法が4.0mm×4.0mm×0.5mmの24端子QFP。実装面積が4.5mm×4.5mmの16端子のパッケージ・タイプも用意した。

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