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Intelがシリコンフォトニクスチップのデモに成功、50Gビット/秒を実現LED/発光デバイス

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 米Intel社の研究チームが、Si(シリコン)材料を使った光半導体(Siフォトニクス)で、トランスミッタ(送信)とレシーバ(受信)を1チップに集積したSiフォトニクスチップのデモを実施し、50Gビット/秒の速度でデータ転送に成功した(図1)。スーパーコンピュータからサーバー、PCなどあらゆる機器で、信号伝送媒体として、銅線の代わりにSiフォトニクスを採用する時代が到来する、と研究チームは予測する。今後は、商用化を視野に入れ、Tビット/秒レベルへの速度向上を目指すという。

 Intel社のフォトニクスラボ担当ディレクタであるMario Paniccia氏は、「今回の開発は、Siフォトニクスチップの量産に向けた第一歩と言える。Siフォトニクスチップは、スーパーコンピュータからPCまで、あらゆる機器に利用できる。今はまだ試作段階だが、商用化のために解決しなければならない主要な課題は既に解決している」と話す。同氏は続けて、「将来は、データ転送速度を現段階の50Gビット/秒から、Tビット/秒単位に引き上げたい。実現への道筋ははっきりと見えている」と自信を見せた。

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図1 米Intel社が今回試作した光半導体を搭載したボード
50Gビット/秒の速度でデータ転送に成功した。今後はTビット/秒を目標に開発を進めるという。出典:米Intel社

 光接続では、既存の銅線よりも伝送距離を長くできる。そして将来は、機器間だけでなく、同一システム上のボード間、さらには同一ボード上のチップ間の通信も、銅線から光接続に置き換えられる、とIntel社は説明する。同社では、既存の光通信技術を採用した通信速度10Gビット/秒の超高速光インターフェース「Light Peak」(開発コード名)を開発済みだ。しかし、フォトニクスラボでは光伝送に関わる部品の開発にシリコン集積技術を利用するため、SiフォトニクスとLight Peakは異なる研究成果と位置付けている。Siフォトニクスは早ければ5年以内に、データセンターやスーパーコンピュータで実用化が始まると、Paniccia氏は予測する。

 今回デモに使用したプロトタイプは、Intel社が2004年から開発を進めてきた技術を基にしている。信号導波路や光検出器を用いて光情報を符号化する光変調器は、同社が設計したシリコンチップに集積される。送信チップでは、同社のハイブリッドシリコンレーザー技術を採用して、小型のInP(リン化インジウム)ダイをチップ上のシリコン導波路に載せることで、光レーザーをパターン形成する。送信チップは、この小型のInPダイを4つ集積する。

 Paniccia氏は、「今回の研究では、当社のシリコン集積技術と、ハイブリッドレーザーを組み合わせてプロトタイプを作成した。統合型送信チップでは4つのレーザーがそれぞれ異なる波長で動作し、4つのSi光変調器が12.5Gビット/秒でデータを符号化する。4つのレーザー光を統合して、単一の光ファイバーに入射すると、50Gビット/秒の速度が得られる」と説明する。

 受信側では、受信チップがレーザー光を色(波長)別にフィルタリングし、導波路で4つの光検出器に誘導する。光検出器はそれぞれ、12.5Gビット/秒の速度でレーザーを受信する。

 Intel社は今後、チップに集積するレーザー数やチャネル数の増加、消費電力の低減やエネルギー効率の向上に取り組むほか、消費電力量の改善にも注力する意向を示している。最終的には光接続技術の実用化を目指すという。

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