2010年第2四半期の半導体売上高は、同第1四半期の699億米ドルと比べて7.1%増となる748億米ドルに達したことを、米国半導体工業会(SIA:Semiconductor Industry Association)が発表した。
SIAの声明によると、2010年6月の半導体売上高は、同5月の248億米ドルと比べて1%未満の伸びにとどまる249億米ドルだったという。
SIAのプレジデントを務めるBrian Toohey氏は「広範囲のエンドマーケットで需要が高まったことを受けて、2010年上半期の半導体売上高は極めて堅調に推移した」と分析した。
同氏は続けて、「2010年上半期の売上高は1446億米ドルで、前年同期(961億米ドル)と比べて50%以上の伸びを記録した。ただし、今後数カ月の間、成長率は鈍化すると見ている。業界全体の年間成長率は最終的に、SIAが中間予測で提示した28.4%前後になるだろう」と述べた(図1)。
図1 世界半導体売上高の推移
1996年1月から2010年6月までの半導体売上高(単位10億ドル、青線)と前年比の伸び率(単位%、赤線)。データは1カ月ごとに記載し、3カ月ごとにけい線を引いた。2010年6月の半導体売上高は前年比49.3%増だったことが読み取れる。出典:WSTS
一方、米国の市場調査会社であるiSuppli社はSIAの発表とほぼ同時に、2010年の半導体市場予測を上方修正し、業界全体の年間売上高予測を前年比35%増に引き上げた。同様に、米VLSI Research社や米IC Insights社といったほかの調査会社も、ここにきて半導体市場予測の上方修正に踏み切っている。
こうした年間成長率の上ぶれは、主要エンドマーケットでの需要の増加を反映したものであるだけでなく、2009年上半期に業界が低迷した反動とも言える、とSIAは分析する。
「消費者信頼感(consumer confidence)の増加や雇用の増加、経済全体の成長といったマクロ経済要因は、2010年下半期の売上高にも引き続き影響を及ぼす可能性が高い。今後も注意深く見守る必要がある」と、Toohey氏は話す。
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