半導体ファウンドリ企業である台湾United Microelectronics(UMC)社は2010年8月、同社の設備稼働率が2010年第2四半期において、100%に達したと発表した。ウエハーの出荷数量も、過去最高を記録したという。
同社によれば、2010年第2四半期の売上高は、2010年第1四半期比11%増、2009年第2四半期比で32%増となる、297億5千万ニュー台湾ドル(9億2600万米ドル)に達したという。2010年第2四半期の純利益は、2010年第1四半期比で51%増、2009年第2四半期比では241%となる、52億7000万ニュー台湾ドル(1億6400万米ドル)だった。
UMC社のCEOを務めるShih-Wei Sun氏は、発表資料の中で設備駆動率が100%に達したことに触れた後、「出荷数量は、8インチウエハー換算で過去最高となる115万6千枚にのぼる」と述べている。同氏は、2010年第2四半期の売上高が予想を大きく上回ったことから、急成長している65nm製造技術の製造能力を強化できるだけでなく、製品の多様化も進められると見ている。
同氏によると、65nm以降の製造技術を適用した製品の売上高は、2010年第1四半期比で50%以上増加したという。また、40nm製造技術を適用した製品は、すでに売上高全体の3%を占めている。
第3四半期も明るい見通し
同氏は、「新しい応用分野や新技術への移行が進めば、最先端製造技術に対する需要も引き続き堅調だと予測できる。このため、2010年第3四半期も好調な成長が続くと楽観視している。売上高や利益は増大し、中長期的にも堅調な需要が期待できる」と述べる。
UMC社の通信市場向けの売上高比率は、2010年第1四半期が59%、2009年第2四半期が62%だったが、2010年第2四半期は54%へと減少した。一方、同社の一般消費者市場向けの売上高比率は、2010年第1四半期が26%、2009年第2四半期が21%だったが、2010年第2四半期は31%に増加している。
UMC社の設備稼働率は、2009年第2四半期の79%から2010年第1四半期の88%へと高まり、2010年第2四半期には100%に達した。UMC社をはじめとするファウンドリ企業全体の設備稼働率は2008年末から2009年初めにかけて、半導体業界が世界的に低迷したことを受け、過去最低水準に落ち込んでいた。
UMC社の2010年の設備投資額について、以前は12億〜15億米ドルの範囲内としていたが、18億米ドルまで引き上げる予定だという。2010年の設備投資額のうち、87%を300mmウエハーの製造ラインに、13%を200mmウエハーの製造ラインに割り当てる予定だ。
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