エプソントヨコムは、分解能が0.3Paと高く、外形寸法が7.0mm×5.0mm×2.0mmと小さい絶対圧センサー「XP-6000CA」を開発し、2010年10月にサンプル出荷を開始する(図1)。
0.3Paの分解能は、高低差に換算すると3cmの圧力変化に相当する。高い精度とパッケージの小型化を両立したことを訴求し、産業機器のみならず、活動量計や簡易型ナビゲーション機器(PND:Personal Navigation Device)といった民生機器に売り込む。
図1 エプソントヨコムの絶対圧センサー「XP-6000CA」
3cmの高低差によって生まれる圧力差を検出可能。分解能が高いことやパッケージが小型であることを訴求し、産業機器のみならず、民生機器にも売り込む。
水晶センサーを民生分野にも展開
同社はこれまで、高精度な圧力測定が可能な製造装置や、ダムや河川の水圧から水位を算出する計測器といった産業分野に向けて、水晶デバイスを利用した絶対圧センサーを製品化してきた。今回発売する絶対圧センサーは、精度が高いという従来の水晶絶対圧センサーの特徴はそのままに、民生機器にも受け入れられるよう、パッケージの小型化を進めた。「QMEMS技術を駆使して、独自の受圧構造を製造することで実現した」(同社)という。QMEMS技術とは、フォトリソグラフィ技術やエッチング技術といった半導体製造技術を水晶デバイスに適用する、同社独自の製造技術である。
総合圧力精度は最大±30Pa、圧力測定範囲は30kPa〜130kPa。使用温度範囲は−40℃〜85℃。入出力インターフェイスはI2C。電源電圧範囲は2.4V〜3.6Vである。なお同社は、今回発売する絶対圧センサーを「CEATEC 2009」で展示していた。このときは、速度計への応用を想定したデモなどを見せていた。
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