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異分野との融合加速 CEATEC JAPAN 2010エネルギー技術 無線通信技術(7/7 ページ)

モバイル機器の進化は止まらない。今の姿は、まだ進化の過程にすぎない…。「CEATEC JAPAN 2010」では、モバイル機器に向けた新たな要素技術やアプリケーションを、各社が提案していた。

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DC-DCは高速スイッチングで超小型化へ

 このほかCEATEC 2010では、超小型のDC-DCコンバータにも注目が集まった(図5)。

 ロームは、スイッチング周波数を20MHzまで高めて所要インダクタンスを低く抑えることで、部品としてのコイルを使わずに構成したDC-DCコンバータ回路を参考出品した。プリント基板上に部品として実装されているのは、DC-DCコントローラとスイッチング素子(パワーMOSFET)を1チップに集積したDC-DCコンバータICのほか、入力と出力のコンデンサだけである。

図5
図5 超小型のDC-DCモジュールが続々登場 (a)プリント基板上に部品として実装されているのは、20MHzスイッチングのDC-DCコンバータICのほか、入力と出力のコンデンサだけだ。コイルについては、基板の裏面に配線パターンで形成した。(b)DC-DCコンバータICはスイッチング素子を集積したタイプで、これを50μmまで薄く加工してから基板内に埋め込んだ。このほかLDOチップやマイコンチップも同様の手法で基板に内蔵している。

 コイルとしては、チップ型のインダクタなどを使う代わりに、プリント基板の裏面にCu(銅)配線でスパイラル状のコイルパターンを形成した。チップインダクタが不要になるため、DC-DCコンバータ回路のコストを低減できるほか、プリント基板の面積の利用効率を高められ、基板を小さくできる可能性もある。「チップインダクタを利用する場合に比べて、比較的小さなインダクタンス値しか得られないが、スイッチング周波数が20MHzと高いため、DC-DCコンバータとして機能する」(同社の説明員)という。コイルパターンの専有面積は、「10mm角以下。まだ試作の段階で、コイルパターンの形状には工夫の余地がある」(同説明員)。

 TDKは、10mm×10mmのIC内蔵基板に4系統のDC-DCコンバータ回路をまとめたシステム電源モジュールを出品した。同社独自のIC内蔵基板技術「SESUB」で実現したものだ。「IC内蔵技術を使わずにプリント基板の片面に部品を搭載した従来の実装では、18.0mm×12.0mm(216mm2)の面積を専有していた。これが100mm2と半分以下に抑えられる」(同社の説明員)。スマートフォン用に開発したもので、現在は量産の準備段階にあるという。

 10mm×10mmと小型ながらも、4系統それぞれについて、DC-DCコンバータ回路の構成要素であるDC-DCコンバータICとパワーインダクタ、入出力コンデンサをすべて搭載した。これらのDC-DCコンバータ回路とは別に、複数のLDOレギュレータ回路も内蔵する。さらに、システム電源全体の管理を担うマイコンチップも搭載した。例えば、スマートフォンのフラッシュ灯を光らせるために瞬間的に大電流を供給する場合に、優先度の低い電源系統の出力をオフするといった管理機能を備える。

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