アルバックが製造装置を中国で生産、太陽電池と液晶パネル用:ビジネスニュース 企業動向
これまで、大型の太陽電池パネルと大型の液晶パネルの製造装置は、生産に必要な技術が高度であるとして、日本国内での生産にとどまっていた。これらの装置を中国で生産するのは同社が初であるという。新工場は2011年4月に着工し、2011年12月の完成を予定する。
製造装置大手のアルバックは、2010年10月、中国に大型太陽電池パネルと大型液晶パネルの製造装置を生産する新工場を建設すると発表した。中国市場に向ける。同種の装置を中国で生産するのは同社が初であるという。
中国江蘇省蘇州市に位置する同社の現地法人である愛発科真空技術有限公司敷地内に建設する。2011年4月に着工し、2011年12月の完成を予定する。延べ床面積は当初3000m2であり、需要に合わせて拡張するとした。初年度6億円、5年間で30億円を投じ、2012年から製造を開始する。同年に10台、2015年には50台の製造を計画する。
新工場では、薄膜Si(シリコン)太陽電池向け微結晶用PE-CVD(Plasma-Enhanced Chemical Vapor Deposition)装置「CIM-1400」(第5.5世代基板対応)の他、液晶パネル用スパッタリング装置「SMD-2400」(第8世代基板対応)、「SMD1500」(第5.5世代基板対応)、「SMD950」(第4世代基板対応)などを生産するという。
製造装置の生産も海外へ
アルバックはこれまで韓国や台湾の現地法人で半導体製造装置や液晶パネル製造装置の現地生産化を進めていた。ただし、大型の太陽電池パネルと大型の液晶パネルの製造装置は、生産に必要な技術が高度であるとして、日本国内での生産にとどまっていた。
今回、中国での生産に踏み切った理由として、産業のグローバル化やコスト低減圧力の他、為替リスクの回避を挙げた。「日本国内向けの製造装置は今後の伸びが期待できないため、有望な市場である中国の国内に製造装置の工場を新設する」(アルバックで代表取締役会長を務める中村久三氏、図1)。
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