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アナリストリポート:iPad人気でタブレットPCの売り上げが拡大ビジネスニュース アナリストリポート

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 市場調査会社のガートナーによると、2010年のタブレット型コンピュータ市場は並外れた成長を記録し、世界の売上台数は1950万台に上る見通しだという。アップルの「iPad」人気でタブレット型コンピュータ全体の需要が拡大したことも追い風となり、2014年には2億台を上回るとガートナーは予想している。

 ガートナーは、タブレット型コンピュータの売上台数は2011年に5480万台、2012年にその約2倍となる1億300万台、2013年に1億5300万台と成長を続け、2014年には2億800万台に達すると予測する。同社は、タブレット型の成長の一因として、ほかのジャンルの端末の売り上げを浸食することを挙げており、関連市場全体で見るとカニバリゼーション(食い合い)の側面があることを指摘した。

 現在、アップルのiPadのほかにも、シスコシステムズの「Cisco Cius」やサムスン電子の「Galaxy Tab」などのメディアタブレットが発売・発表されている。

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 ガートナーでリサーチ担当バイスプレジデントを務めるCarolina Milanesi氏は、発表資料の中で、「さまざまな機能をオールインワンで提供するメディアタブレットは、電子ブックリーダーやゲーム端末、メディアプレーヤなどのほかの民生機器との間でカニバリゼーションを発生させることになる。その脅威に最もさらされることになるのがミニノートPCで、今後2年間で平均販売価格(ASP)が300米ドル以下に下落すると予測される」と述べている。

 さらに同氏は、「低価格のノートPCについては、タブレットによるカニバリゼーションの影響はごくわずかで、オープンソースのOSを搭載したスマートフォンにいたっては、ほとんど影響を受けないだろう。一方、高機能のスマートフォンはタブレット型コンピュータとの併用の必要性を感じにくいことから、カニバリゼーションの影響を大きく受けることになる」と予測する。

 2010年のメディアタブレット市場を地域別に見ると、北米地域の売り上げが全体の61%を占める見込みだ。メディアタブレットは今後、より多くの地域で販売されるようになり、2014年には北米地域の占める割合は43%に下がるとみられる。

 このほかガートナーは、エンタープライズ市場におけるメディアタブレットの需要は限定的だと指摘した。その理由については、「知識労働者がビジネス用途でノートPCをメディアタブレットに置き換えるのは難しい。また、知識労働者はノートPCとスマートフォンを併用することが多いことから、企業が第3の機器としてメディアタブレットを導入するとは考えにくい」(同社)と説明する。

 またMilanesi氏は、「これまで携帯機器のブロードバンド通信の普及を推進するためにミニノートPCに助成金を支給してきた通信サービスプロバイダ(CSP)は、その対象をメディアタブレットに移行させることになるだろう。助成金を出すことで、ハードウエアの価格の高さが足かせとなって利用をためらっている消費者の間でも、メディアタブレットの需要が高まるだろう」と述べている。

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