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【ET 2010】日本TIが広範なマイコン群を訴求、低消費電力の「MSP430」を継続強化プロセッサ/マイコン

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 日本テキサス・インスツルメンツは、組み込み機器の総合展示会「Embedded Technology 2010(ET2010)」(2010年12月1日〜3日にパシフィコ横浜で開催)で、同社のマイコン製品群を使ったデモや評価基板を数多く展示した。同社は、32ビットマイコンの製品群として、アーム(ARM)のプロセッサコア「Cortex-M3」を採用した「Stellaris」シリーズを提供し、16ビットマイコンには、消費電力の低さを特徴とする独自コアの「MSP430」シリーズを製品化している(図1)。

図1
図1 低消費電力の16ビットマイコン「MSP430シリーズ」を用途の広さをアピール
携帯型の計測器や医療機器、乾電池で動かすモバイル機器、エナジーハーベスト、スマートメーターなど、対象範囲は広い。

 Stellarisシリーズは、「豊富な品ぞろえを用意していることや、イーサネットPHY回路を搭載した品種を業界で唯一製品化していることが特徴」(同社)だという。今後も拡充を続け、2011年には、ARMのプロセッサコア「Cortex-M4」を採用したマイコン製品群を製品化する予定である。これらの品種では、浮動小数点演算や積和演算処理に対応する。

 一方のMSP430シリーズは、消費電力の低さを売りに、最近ではエネルギーハーベストやスマートメーター、宅内電力管理システム(HEMS)へと用途を広げている(図2)。最近の話題として、「最小電源電圧が0.9Vの品種や、8ビットマイコンに匹敵するほど安価な『G2xx』を製品化したこと」(同社の説明員)を挙げた。G2xxの10万個購入時の参考単価は、0.25米ドルである。「MSP430シリーズという、低消費マイコンの確固たる製品群を有しているため、ARMのプロセッサコア『Cortex-M0』を採用したマイコンを製品化する計画はない」(同社)という。

図2
図2 「MSP430シリーズ」のロードマップ
2010年に入って、電源電圧の最小値が0.9Vと低い「MSP430L092」や、8ビットのマイコンに匹敵するほど安価な「G2xx」を製品化した。強誘電体(FRAM)を採用したマイコンも開発中である。

 会場では、StellarisシリーズとMSP430シリーズをともに使ったデモを見せていた(図3)。自転車の車輪に取り付けたLEDアレイに広告を表示することを模したもの。Stellarisシリーズの「LM3S8971」でブラシレスDCモーターを制御して車輪を回転させ、MSP430シリーズの「MSP430F5529」で、車輪の位置を検出しつつ、LEDの文字を表示させていた。LEDアレイを使って文字を表示する評価基板は、ロステーカが開発した。ブラシレスDCモーターの制御には、既存の開発キット「RDK-BLDC」を使った。

図3
図3 自転車の車輪に広告を表示する「デコルミボード」のデモ
車輪を動かすブラスレスDCモーターの制御には、Stellarisシリーズの「LM3S8971」を使った。MSP430シリーズの「MSP430F5529」で、LEDを光らせ広告となる文字を表示していた。

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