ノルウェーに本社を構えるEnergy Microは、組み込み機器の総合展示会「Embedded Technology 2010(ET2010)」(2010年12月1日〜3日にパシフィコ横浜で開催)で、同社の低消費電力の32ビットマイコン「EFM32 Geckoシリーズ」を初披露した。
EFM32 Geckoシリーズは、アーム(ARM)のプロセッサコア「Cortex-M3」を採用しており、携帯型の医療機器やヘルスケア機器、ガスや電気、水道の使用量を測定するスマートメーター、ビルのオートメーションといった用途を対象にしている。
効率的な間欠動作や周辺アナログ回路の工夫などによって、消費電力を削減したことが特徴である。消費電力が異なる5つの動作モードを有しており、状況に応じて動作モードを素早く切り替えることで、消費電力を抑える。また、インターフェイス回路やタイマー、A-D変換回路、D-A変換回路といった周辺回路のうち、必要な回路のみをマイコン部を介さずに直接制御する「Peripheral Reflex System(PRS)」と呼ぶ独自機能を搭載した。
1MHz当たりの消費電流は180μA(動作周波数が32MHzのとき)で、スタンバイ時の消費電流は0.9μAである。「業界最小レベルだ」(同社のVice President of Sales and Marketing Asiaを務めるAndrea Marchi氏、図1)と主張する。
同社は、EFM32 Geckoシリーズの量産をすでに始めている(図2)。内蔵フラッシュメモリ容量は32Kバイト〜128Kバイト。2011年2月〜3月には、「EFM32 Tiny Geckoシリーズ」、2011年5月には「EFM32 Giant Geckoシリーズ」を発売する予定である。Tiny Geckoシリーズは、内蔵メモリの容量を減らし、消費電力と価格を下げた低価格品、Giant Geckoシリーズはメモリ容量を増やし、USBインターフェイス回路を集積した高機能品という位置付けである。
日本市場に向けては、半導体商社のアルティマが、2010年12月にEFM32 Geckoシリーズの販売を始めた。
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