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アナログIC市場、2011年には徐々に回復する見込みアナログ設計

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 米国の市場調査会社Databeansが発表した予測によると、2010年第4四半期の全世界のアナログIC市場の売上高は約103億米ドルであり、2010年第3四半期と比べると7%の減少となる見通しだという。

 しかし、同社は「アナログ市場は2011年第1四半期にはわずかではあるが世界的に回復する見通しで、売上高は106億米ドルを上回る」と予測している。

 Databeansによると、製造能力増強を考慮に入れてもアナログICの価格は全般的に横ばい状態だという。「アナログICの実質的な原価は、ほとんどが製造コストではなく設計コストであるため、2010年から2011年にかけて価格の変動はほとんどないだろう」と説明した。

図

 同社はアナログIC市場を構成する要素ごとに売り上げ予測を示した(図1)。汎用アナログ市場では標準セルライブラリを使用してチップを設計し、チップはあらゆる用途に使われている。汎用アナログ市場も2010年第4四半期に緩やかに低迷し、売上高は2010年第3四半期の6%減となる25億米ドルにとどまるという。Databeansは「(アナログIC市場全体と同様)2011年初頭には2010年第3四半期のレベルまで回復する」と予想する。

図1
図1 アナログICの売上高
左列から順に、2010年第1四半期から2010年第3四半期までの実績値と、2010年第4四半期から2011年第4四半期までの予測値を示した(Detabeansによる予測)。単位は100万米ドル。上段は4分野の汎用アナログICの売上高、下段は5分野のASSPの売上高である。汎用アナログICの合計売上高(General Purpose Analog)とASSPの合計売上高(Total ASSP)も示した。最下行がアナログIC全体の売上高である。右側2列は、それぞれ2010年第3四半期と比較した2010年第4四半期の成長率と、2010年第4四半期と比較した2011年第1四半期の成長率である。

 パワーICの落ち込みはわずか

 汎用アナログの中で最大の市場であるパワーIC市場の落ち込みは、アナログ市場の中で最も低い2%であり、2010年第4四半期の売上高は24億5000万米ドルに達すると予想した。

 アナログASSPは特定の市場向けに特価した製品であるため、当該市場の浮き沈みの影響を受けやすい。Databeansは、「アナログASSP市場は、2010年第4四半期には前四半期比8%減の56億米ドルにまで落ち込むと予想した。しかし、2011年第1四半期にはわずかに回復し、2%の成長を遂げるだろう」と予測した。

 コンピュータ向けは落ち込み大きい

 2010年第4四半期のコンピュータ向けアナログ市場は、前四半期比約17%減とアナログ市場の中で最も大きく落ち込むと予想した。次に落ち込みが激しいのは、前四半期比14%減と予想される産業向けアナログ市場だ。通信向けアナログ市場は、前四半期比3%減とアナログASSP市場の中では最も落ち込みが少ないと予想される。

 Databeansによれば、アナログ/ミックスドシグナル市場のシェアは、上位10位のメーカーにほぼ集約されたままであるという。こうした市場では、競争や市場シェアの大幅な変動が起こりにくい。アナログIC市場全体では、テキサス・インスツルメンツ(TI)やSTマイクロエレクトロニクス、インフィニオン テクノロジーズなどが常に上位に名を連ねている。

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