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インテルとAMD、USB 3.0対応チップセットの提供を2012年に延期へ有線通信技術

AMDとインテルはいずれも、新型インタフェース規格「USB 3.0」に対応するPC用チップセットを、2011年にサンプル出荷する予定だとしていた。しかし、チップセットの製造開始は2012年初めになる見込みで、当初の予定から約2年遅れることになりそうだ。

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 AMDとインテルはいずれも、新型インタフェース規格「USB 3.0」に対応するPC用チップセットを、2011年にサンプル出荷する予定だとしていた。しかし、チップセットの製造開始は2012年初めになる見込みで、当初の予定から約2年遅れることになりそうだ。

 AMDとインテルは、早ければ2011年3月9日に、USB 3.0対応チップセットに関する正式な情報を発表するとみられる。この日は、USB規格の標準化団体「USB Implementers Forum(USB-IF)」がオランダのアムステルダムで開発者会議を開催し、USB 3.0規格について新しい情報を発表する予定だ。

 複数の情報筋によると、チップベンダーが相互運用性試験を行うUSB-IF主催のイベント「Plugfest」において、両社の新しいチップセットの初期版がすでに登場していたという。また、インテルのチップセットがFPGAに実装されていたとする情報もあれば、別の情報筋からはAMDがまもなくサンプル版チップセットの認証を取得する予定だとの報告もある。

 インテルはもともと、USB 3.0対応チップセットのサンプル出荷を2010年初めに開始する予定だった。しかし計画は遅れ、このインタフェースをいち早く取り入れようとしていた多くの企業を失望させる結果となった。USB 3.0では、USB 2.0仕様で480Mビット/秒だった論理上の最大伝送速度が、5Gビット/秒まで高まる。

 AMDとインテルは両社とも、これらの報告に関するコメントを拒否している。

 USB 3.0仕様に対応したPC用チップセットが登場すれば、それに対応する周辺機器の新しい市場が生まれることになる。これまでは、USB 3.0専用のUSBホストコントローラを個別に搭載する必要があり、PCメーカーにとって望ましくないコストが発生するために、市場の動きが低迷していた。

 USB-IFの認証を取得したUSB 3.0ホストコントローラを販売するメーカーは、今のところ2社しかない。圧倒的な市場リーダーであるルネサス エレクトロニクスは、デュアルポートチップを販売している。もう1社のFresco Logicは、シングルポートのホストコントローラを販売中で、デュアルポート品については認証を申請済みだという。

 ルネサス エレクトロニクスの広報担当者は、「2010年の段階では、USB 3.0対応機器はハイエンドPCとアダプタカードに限られていた。しかし2011年は、対応モデルの幅が大きく広がりそうだ」と述べている。

 またFresco Logicの広報担当者は、「USB 3.0に対応したシングルポートのホストコントローラの2010年における出荷数量は、約100万個だった。しかし2011年には、デュアルポートチップをリリースする予定であることから、出荷数量は約10倍に伸びると期待している」という。

 このほかにも、テキサス・インスツルメンツ(TI)や、台湾のメーカーであるEtron TechnologyおよびVIA Technologies、またAsustek Computer(アスーステック コンピューター)からスピンオフしたAS Mediaなど、少なくとも4社が、USB 3.0ホストコントローラの開発を進めている。TIの広報担当者は、早ければ2011年2月14日の週に4ポートチップの認証を取得できると見込んでおり、2011年4月には出荷を開始したいと述べた。

 ただし、これらのホストコントローラチップの市場は、AMDとインテルがUSB 3.0対応のチップセットをリリースすれば、急激に縮小するとみられる。TIの広報担当者は、「2011年には、PCのうち10%〜20%は個別のコントローラチップを使ってUSB 3.0をサポートするだろう。2012年は、AMDとインテルが自らのチップセットでUSB 3.0対応を主導し始める移行期になり、2013年には出荷されるすべてのPCのうち90%がそうしたチップセットを搭載するようになる」という。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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