マイクロン、25nm世代のNANDフラッシュ採用のSDDを発売:メモリ/ストレージ技術 NAND型フラッシュメモリ
マイクロン テクノロジーは、25nm世代のNAND型フラッシュメモリを採用したSSD「RealSSD C400」を発表した。「業界最先端の製造プロセスを採用したSSDである。
マイクロン テクノロジーは、25nm世代のNAND型フラッシュメモリを採用したSSD「RealSSD C400」を発表した(図1)。「業界最先端の製造プロセスを採用したSSDだ」(同社のClient SSD GroupのGeneral Managerを務めるJustin Skyes氏、図2)。すでにサンプル出荷を開始しており、一部の機器メーカーが採用に向けた評価を始めている段階だという。
同社はこれまでに、50nm世代のNAND型フラッシュメモリを採用したSSD製品群「C200」と、34nm世代のフラッシュメモリを使ったSSD製品群「C300」を市場に投入してきた。今回のC400は、C300の後継品種という位置付けである。製造プロセスの微細化を進めたことで、「少なくとも、20%のコスト削減を実現した」(同氏)という。
25nm世代のMLC(Multi Level Cell)タイプのNAND型フラッシュメモリを採用しつつ、1世代前のC300と同等の製品寿命を維持したことも、C400の特徴である。「平均的なPC利用者にとって、十分な寿命を確保した」(同氏)という。1日に40Gバイトものデータを書き込んだときの寿命は5年で、平均的なPC利用者は1日に2Gバイト〜5Gバイトのデータをストレージに書き込むと説明した。
一般に製造プロセスの微細化が進むと、NAND型フラッシュメモリの信頼性や耐久性(寿命)を維持するのは難しくなる。そのため同社は今回、NAND型フラッシュメモリの制御ICの機能を向上させることで、微細化を進めながらも信頼性や耐久性を維持した。例えば、ウェアレベリング機能や、エラー管理機能、ハードウエアのECC(Error Correcting Code)処理を改良した。また、NAND型フラッシュメモリの挙動をチューニングする新たな機能を追加したという。
書き込み/読み出し性能も向上
データの書き込み/読み出し性能は以下の通り(いずれも、記録容量が512Gバイトの品種の数値)。シーケンシャルデータの書き込み速度は最大260Mバイト/秒、読み出し速度は最大415Mバイト/秒。前世代品のC300に比べて、それぞれ向上させた(図3)。
図3 RealSSD C400を使ったデモの様子 左はハードディスク装置(HDD)を使ったPC、右はRealSSD C400を組み込んだPCである。OSが立ち上げた後、画像処理アプリケーションソフトウエアと複数の写真を表示するという処理に要する時間を比較して見せた。
4Kバイトのデータを扱ったときのランダムIOPS(I/O operations/second)は、読み出し時が最大4万、書き込み時が最大5万。遅延時間(Latency)は標準55μsである。転送速度が6Gビット/秒のSATAインターフェイスを備えている。
記憶容量が64Gバイト〜512Gバイトの範囲で異なる4品種を用意した。フォームファクタは1.8インチ型または2.5インチ型である。
想定用途は、ノートPCの他、デスクチップPCやワークステーションコンピュータ、組み込み/産業用PCなど(図4)。機器メーカー以外にも、一般消費者向けに「Crucial m4 SSD」シリーズという名称で、2011年3月に販売を開始する。
この他マイクロン テクノロジーは、PCI Express(PCIe)インターフェイスを採用したフラッシュストレージを開発中で、2011年中に製品について発表する予定である。
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