アルテラ、2012年にはザイリンクスに売上高で肩を並べると予想:ビジネスニュース アナリストリポート
米国の投資銀行であるRaymond James & Associatesは、現在、FPGAの市場シェア第2位のアルテラが、第1位のザイリンクスと2012年初頭にも四半期売上高で、肩を並べるという予測を発表した。
米国の投資銀行であるRaymond James & Associatesは、現在、FPGAの市場シェア第2位のアルテラが、第1位のザイリンクスと2012年初頭にも四半期売上高で、肩を並べるという予測を発表した。2010年のアルテラの売上高は19億5000万米ドルだった。一方、ザイリンクスは23億米ドルの売上高を達成している。
Raymond James & AssociatesのアナリストであるHans Mosesmann氏は、「アルテラは、ハイエンド/ミッドレンジ/ローエンドのFPGAを展開することに加え、ASSPや組み込みプロセッサ、ASICの置き換えも狙っている」と述べている。同氏によると、アルテラが狙うこれらのチップの総市場規模はほぼ500億米ドルで、FPGAを含むPLD市場の10倍以上に上るという。アルテラとザイリンクスは共に、ASICやASSP、DSPといったFPGA以外の半導体市場でもFPGAへの置き換えを進めたい考えだ。
同氏は、「アルテラは2010年、前年比64%増となる売上高を達成したが、この成長をけん引したのは65nm/90nm/130nm世代の製造技術を適用した製品だ。同社の40nm世代品はまだ製造の初期段階にあり、売上高をけん引するには至っていない」と述べている。
28nm世代のFPGAを2011年Q1中にサンプル出荷
Mosesmann氏は「アルテラは、28nm世代を採用したFPGAにおいて、性能や性能面で驚くべき進化を遂げている」と述べる。アルテラは、28nmの製造技術を適用したハイエンドFPGA「Stratix V」のサンプル出荷を2011年第1四半期に始める予定である。
さらに、28nm世代品のミッドレンジ製品ファミリ「Arria V」とローエンド製品ファミリ「Cyclone V」のサンプル出荷を、それぞれ2011年末と2012年初頭に始める。アルテラの経営陣は、「当社は、どのFPGAベンダーよりも幅広い、28nm世代品のポートフォリオを展開する」と主張する。
一方のザイリンクスは、前世代の製造技術においては2種類だった製品ラインアップを、28nm世代品では3種類に増やすという。28nm世代品はスケーラブル・アーキテクチャを適用しており、製品ファミリ間で28nm品への移行が以前よりも容易に進められる。
ザイリンクスは2010年12月に、28nm世代の製造技術を採用した次世代FPGA「7シリーズ」の試作品を完成させた。2011年第1四半期中に、サンプル出荷を開始する予定だ。同社はすべての28nm世代品の開発を2011年末までに完了し、2012年初頭に製造を開始する計画だという。
Mosesmann氏は、「ザイリンクスは、すべてのセグメントで同一のアーキテクチャを適用するという統一手法を採っている。このため、使いやすさという観点から次世代品への移行も早期に進むと予想される」と述べている。しかしその一方で、「こうした手法を採ると、市場の特定セグメント(特にローエンド品)の利益幅が低くなる」(同氏)と指摘している。
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