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消費電力は従来比1/8、車載機器のクラリオンがフルデジタルスピーカーを開発:オーディオ処理技術 スピーカー
「フルデジタルスピーカー」と呼ぶ、従来とは駆動方法が大きく異なる次世代スピーカーの製品化時期が近づいてきた。
カーナビや車載用オーディオ機器を手掛けるクラリオンは、車載用の「フルデジタルスピーカー」を開発したと発表した。
フルデジタルスピーカーとは、複数のスピーカーユニットまたは複数のボイスコイルを使って、オーディオを再生する方式(図1)。一般的なスピーカーにはオーディオ信号の振幅変化に対応したアナログ信号を入力するのに対して、フルデジタルスピーカーにはあらかじめ変調処理を施したデジタル信号を入力する。ミックスドシグナルの回路設計やフルデジタルスピーカー用信号処理技術「Dnote」の開発を手掛けるトライジェンスセミコンダクター(Trigence Semiconductor)の技術を採用した。
図1 フルデジタルスピーカーの概略図 図上は、従来のスピーカー駆動方式。図下は今回開発したスピーカー駆動方式。オーディオ信号の振幅の大小に合わせて、通電するボイスコイル数を変化させる。その時々のオーディオ信号に必要なだけの電力消費だけで済むため、従来方式に比べて消費電力を削減できる。出典:クラリオン。
フルデジタルスピーカーの最大の特徴は、消費電力を大幅に削減できること。「当社従来比で、スピーカーシステムの消費電力を約1/8に削減可能だ」(クラリオン)という。クラリオンでは今後、開発したフルデジタルスピーカーを使って、電気自動車やハイブリッド車、アイドリングストップ機能搭載の自動車に最適なカーオーディオシステムの製品化を目指す。
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