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メディアテックが無線チップベンダーのRalink Technologyを買収へビジネスニュース 事業買収

台湾の半導体ベンダーであるMediaTek(メディアテック)は、新たな市場開拓を目指し、台湾のRalink Technologyを買収する契約に合意した。

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 台湾の半導体ベンダーであるMediaTek(メディアテック)は、新たな市場開拓を目指し、台湾のRalink Technologyを買収する契約に合意した。Ralink Technologyは、家庭用無線ネットワークやブロードバンドアクセスに向けた半導体チップを提供するベンダーである。

 メディアテックは今回の買収を足掛かりに、新しい市場へ進出することが可能になる。Ralink Technologyは、無線LANやDSL、USBなどの幅広い用途に向けた半導体チップを供給している。一方メディアテックは、携帯電話機向けチップ市場において強みを持つ。同社はRalinkを買収することで、無線LANソリューションだけでなく、BluetoothやGPS、xDSL、イーサネットなどの技術も提供できるようになる。

 メディアテックは、近年における経営上の困難を乗り越えた後、再起を模索していた。メディアテックでチェアマンを務めるM.K. Tsai氏は、発表資料の中で、「無線LAN接続機能は、携帯型民生機器やエンタープライズ向け機器、デジタルホーム機器などの市場において、今後も引き続き高い需要が見込まれる。メディアテックは、Ralink Technologyが備える無線LANチップの広範なラインアップや、IEEE 802.11 ac/adおよびVDSL、そして世界的な顧客基盤を獲得できる。これによって、ゲーム機やメディアプレーヤ、タブレット型コンピュータ、テレビなどの分野で、当社が製品を供給できる市場が直ちに拡大する」と述べている。

 メディアテックは、今回の契約合意に基づき、株式交換方式によって、メディアテック株1株につきRalink Technology株3.15株を割り当てる。これにより、メディアテックが存続会社となる。今回の取引は、すでに両社の取締役会からの承認を得ており、株主の承認および規制機関による審査を待って、2011年10月1日に正式に締結される見込みだ。

 Ralink Technologyは2010年に、ブロードバンド向けチップセットを手掛けるTrendChip Technologiesを買収する契約に合意したと発表したばかりだった。

 また無線市場では、今回のメディアテックによる買収に先駆けて、もう1件よく似た買収が実施されたばかりだ。クアルコムは2011年1月に、無線チップベンダーであるアセロス・コミュニケーションズを1株当たり45米ドルの現金で買収する正式契約を締結したと発表した(参考リンク:クアルコムの2011年1月5日付け報道発表資料)。買収総額は約31億米ドルに上る。この買収により、クアルコムの2009年からの連結売上高は110億米ドルに達した。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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