ルネサス、地震により停止していた一部生産を再開(2011年3月17日):ビジネスニュース 震災復興
東北地方太平洋沖地震ではルネサス エレクトロニクス本社を含むグループ国内22拠点のうち、8つの拠点で生産を停止していた。被害の影響が最も少なかった東京デバイス本部での一部生産を再開した。
ルネサス エレクトロニクスは、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震によって休業していたルネサス東日本セミコンダクタ 東京デバイス本部(図1)で、一部生産を再開したと発表した。
同本部は、東京都青梅市に立地し、半導体後工程の工場設備を備える。地震による建屋や付帯設備、用役設備、生産設備への被害はないものの、東京電力による計画停電が継続しているため、通電時にのみ生産する。純水の供給が停止しているため、仕掛品のみを処理するという。
計画停電への対応進める
今回の地震ではルネサス エレクトロニクス本社を含むグループ国内22拠点のうち、東京デバイス本部を含む8つの拠点で生産を停止していた。このうち、半導体前工程を担うルネサス エレクトロニクス 那珂工場(茨城県ひたちなか市)以外の7拠点が計画停電の対象地域内にある。
ルネサス北日本セミコンダクタ 米沢工場(山形県米沢市)は、建屋や生産設備に一部被害があったものの、計画停電による通電期間中は生産ができるよう、すでに立ち上げ中である。同工場は半導体後工程工場である。このほかの工場についても、「計画停電実施期間中であっても生産の再開ができないかどうか、検討中」(ルネサス エレクトロニクス)という。
ルネサス山形セミコンダクタ 鶴岡工場(山形県鶴岡市)と、ルネサスハイコンポーネンツ(青森県北津軽郡鶴田町)は、地震による建屋や生産設備への被害が無い。半導体前工程を受け持つ鶴岡工場は計画停電対応のため、設備の休止作業中であり、その後、立ち上げ準備を進める。半導体後工程を担うルネサスハイコンポーネンツは、計画停電への対応を進めており、立ち上げ準備中である。
ルネサス エレクトロニクス 高崎工場(群馬県高崎市)は、建屋などを除き、生産設備への被害は無く、立ち上げ準備中である。ルネサス エレクトロニクス甲府工場は建屋、生産設備とも一部被害が有るものの、立ち上げ準備中である。
ルネサス北日本セミコンダクタ 津軽工場(青森県五所川原市)は、地震後停電が続いていたが、3月17日に復電した。現在、生産設備の被害状況を確認中である。なお、那珂工場は建屋や生産設備への被害が有り、地震による停電が継続しているため、復電後、クリーンルーム内の状況を確認する。
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