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欧州で人体無線網の研究プロジェクトが始動、ヘルスケア分野での活用を目指す無線通信技術 BAN

スイスの民間研究所CSEMが率いる欧州のコンソーシアムは、人体無線網(BAN)を活用した超小型無線マイクロシステムの開発を目指すプロジェクト「WiserBAN」を立ち上げた。

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 スイスの民間研究所Swiss Center for Electronics and Microtechnology(CSEM)が率いる欧州のコンソーシアムは、人体無線網(BAN:Body Area Network)を活用した超小型無線マイクロシステムの開発を目指すプロジェクト「WiserBAN」を立ち上げた。ヘルスケアや生体医学の分野で健康やライフスタイルの向上を実現する、着脱式や体内埋め込み式のデバイスの開発に取り組む。

 WiserBANプロジェクトには、補聴器を手掛けるドイツのシーメンス、スイスのDebiotechなど12の企業や組織が参加し、補聴器や埋め込み型心臓ペースメーカー、インスリンポンプ、人工内耳など、BANを活用する着脱/埋め込み式デバイスの開発を目指す。

 同プロジェクトには、2010年9月からの3年間で958万ユーロ(約1350万米ドル)の予算を投じる。このうち、690万ユーロ(約980万米ドル)を欧州連合(EU)が提供するという。

 WiserBANは、超小型で消費電力の極めて低い最先端の無線通信技術を開発し、BANの機能や革新的な製品の実現を図りたい考えだ。主に、ライフスタイルの向上や生体医学の分野で有用な着脱/埋め込み式デバイスを開発する。

 具体的には、MEMS技術を使った超低消費電力の無線SoCや、RF帯と低周波帯のMEMSおよび小型部品、特性可変の小型アンテナ、コスト効率に優れた小型SiP(System in Package)の設計・製造のほか、センサー信号処理や柔軟性の高い通信プロトコルの開発に取り組む。

 最終的には、これらの技術を統合することで、無線通信機能とアンテナ、データ処理機能を備えた高性能マイクロシステムを実現したい考えだ。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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