IHS iSuppli、マイクロプロセッサ市場の2010年の動向を総括:ビジネスニュース 業界動向
IHS iSuppliによると、2010年のマイクロプロセッサ市場において、インテルは81%もの市場シェアを占め、引き続き、市場シェア2位のアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)に大きく差をつけた。
IHS iSuppliによると、2010年のマイクロプロセッサ市場において、インテルは81%もの市場シェアを占め、引き続き、市場シェア2位のアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)に大きく差をつけた(表1)。インテルの2010年の最終的な市場シェアは、2009年からわずかに伸び、前年比0.4ポイント増となった。一方のAMDは、前年のシェア12.2%から若干減少し、11.4%の市場シェアにとどまった。
2010年のマイクロプロセッサ市場の全世界での売上高は、前年比25%増の400億米ドルで、2009年の不調から急速に回復したという。2009年の売上高は、前年比で6%減だった。
IHS iSuppliでコンピュータ・プラットフォーム分野の主席アナリストを務めるMatthew Wilkins氏は、「マイクロプロセッサのベンダーは、2010年にさまざまな変化に向き合うこととなった。例えば、タブレットPCの登場が引き起こした新たな市場競争や、力強く回復する景気動向、さらにはグラフィクス処理を搭載したプロセッサ『GEM(Graphics-Enabled Microprocessors)』の台頭によって加速した技術革新などである。2010年は、マイクロプロセッサ市場にとって、重要な変化の期間であったといえる」という見解を述べた。
さらに同氏は、「こうした市場変化にも関わらず、マイクロプロセッサ業界の市場競争が、断然1位のインテルと大きく引き離されながら後を追う2位のAMDという、ここ20年間まったく変わらない一騎打ちレースだった。市場シェアに大きな変化がないことは、PC向けのマイクロプロセッサ市場が成熟した状態であることを象徴している。PC向け市場では依然として2010年も、インテルとAMDがPCメーカーから1ドルでも多く獲得しようと激しく競い合っていたことになる」と続けた。
競争の場は、タブレットへ
IHS iSuppliは、タブレットPCの出荷台数が、2010年には一気に1740万台にまで達したとみている。そのほとんどが、アップルのiPadである。タブレットPCの出荷台数は、今後も増加し続け、2015年には2億4000万台以上に達すると予測する。
タブレットPCの多くの機種には、x86プロセッサ以外が採用されている。タブレットPCの台頭によって、半導体メーカーはタブレットPCの市場拡大による売上増加を見込めるようになった。IHS iSuppliは、こうした状況が、タブレットPC市場に既に参入しているサムスン電子などの半導体ベンダーのみならず、PC向けのプロセッサ市場をリードするインテルやAMDにとっても、非常に大きなビジネス機会だとみている。
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